今週の指標 No.686 目次   前へ   次へ 2005年12月19日

アメリカ:設備投資の水準は上昇へ

<ポイント>

  1. アメリカの設備投資の伸びは03年以降、拡大傾向が続いている。この背景の一つとして全産業の資本ストック循環をみると、90年代後半から、それ以前に比べ大きく右方にシフトしている(図1)。この要因としては、除却率の増加と期待成長率上昇が挙げられる。
  2. 除却率についてみると、IT投資の活発化の影響が大きいといえる。一般にIT関連産業は技術革新のスピードが速く、陳腐化が激しいために資本ストックの更新ペースが早い。実際にIT投資に関するストック循環をみると、右方シフトの度合いはきわめて高くなっている(図2)。90年代以降、除却率の高いIT関連投資の割合の増加が設備投資全体の除却率を高めてきたと考えられる(図3)。
  3. また、期待成長率についてみると、05年8月に出された財政・経済見通し(CBO:議会予算局)によれば、米国経済の潜在成長率は82〜95年は約2.9%であったが、96〜04年は3.4%と上昇し、今後の見通しについても05〜10年の成長率を3.2%としている。
  4. 80年代以降の設備投資の伸び率をみると、80年代の前期比年率の平均伸び率は3.5%であったものが、90年代には7.2%となり、設備投資の水準は大きく上昇した。その後01年のITバブルの崩壊により一時的にマイナスに陥ったものの、03年からは90年代の水準を上回る伸びとなっており、03年から05年第3四半期までの平均をみると、短期間ではあるものの、8.2%と拡大傾向は持続している。また、単年度ベースでみても、民間機関見通し(ブルーチップ)によると、06年は平均7.9%の伸びが見込まれており、今後も設備投資は堅調に推移すると考えられる(図4)。

期待成長率と資本ストック循環(全産業) 期待成長率と資本ストック循環(IT関連)
設備投資の内訳 1980年以降の設備投資の推移

(備考)
アメリカ商務省

担当:海外担当参事官付

   野澤 郁代  直通:03-3581-0974
   小山 陽子  直通:03-3581-9536

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

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