今週の指標 No.685 目次   前へ  次へ 2005年12月19日

我が国の技術貿易の動向

<ポイント>

  1. 「科学技術研究調査」から我が国の技術貿易の状況をみると、輸出額、輸入額ともに過去最高額となっており、輸出額と輸入額の差を総額で除した特化係数も上昇傾向にある(図1)。また同様に「国際収支」の特許等使用料等をみても統計上の違い(表2)から水準に差はあるもののおおむね同様の動きを確認できる(図3)。
  2. 「科学技術研究調査」において技術輸出をみると産業別では5割以上が輸送用機械(自動車)によるものだということが分かる。また、地域別では北米、アジア、欧州の順にシェアが高くなっているが、輸送用機械は北米中心、電子部品デバイスはアジア中心など業種ごとに特徴がみられる。技術輸入をみると、産業別では情報通信機器のシェアが3割を超えている。地域別にみると全体では北米のシェアが高いが、医薬品などでは欧州のシェアが高いなど輸出同様に業種により特徴がある(表4)。
  3. ただし、技術輸出では親子会社間の取引の割合が高くなっており、親子会社間の取引を除いてみると全体とは様相が異なり輸出と輸入がほぼ同水準で推移していることから特化係数も0近傍で推移していることが分かる(図5)。これは海外生産割合が増加するにつれて、親子会社間の輸出が増加したためだと考えられ、海外現地法人付加価値額と親子会社間での技術輸出の関係をみると明確な相関がみられる(図6)。
  4. 以上から、我が国の技術輸出の増加基調は輸送用機械(自動車)を中心とした企業の海外進出に伴う親子会社間でのロイヤリティ受取の増加が主因であり、親子会社間での取引を除いて比較すると輸出と輸入は拮抗していることから、技術貿易(特に輸出)の増加の背景については解釈に注意が必要である。

図1−我が国の技術貿易の状況
図2−科学技術研究調査と国際収支の違い
図3−特許等使用料の推移
図4−技術貿易の業種別・地域別シェア
図5−親子会社間の技術貿易 図6−親子会社間の技術輸出と現地法人付加価値額の関係
備考
参考文献

担当:参事官(経済財政分析−総括担当)付 中野 貴比呂 直通:03-3581-9527

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

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