今週の指標 No.680 目次  前へ  次へ 2005年11月28日

非労働力人口の労働市場への流入の要因

<ポイント>

  1. 雇用情勢は改善に広がりをみせている。9月の失業率は前月比0.1%低下し4.2%となった。その中身をみると、失業者数は前月差で5万人減となった一方、就業者数は同53万人増と大幅に増加している(図1)。そこで、就業者数の増加の背景について検討してみる。
  2. まず、就業・失業・非労働力といった各労働状態間の移行者数の動きをみると、2005年に入ってから、非労働力から就業への移行者数が増加していることが分かる(図2)。次に、2期間の移行者数の変動分を、非労働力から就業へと移行する確率が変化することによる要因と非労働力人口の規模が変動することによる要因に分解すると、非労働力から就業への移行者数の増加は主として移行する確率が高まったために増加したことがわかる(図3)。
  3. この非労働力から就業へと移行する確率の高まりは、就業を希望するものの適当な仕事がありそうにない等といった理由のために非労働力人口とされていた者のうち、15〜34歳層を中心とした労働市場への流入の結果、就業したことがその要因と考えられる(図4)。
  4. このように、今回の景気回復局面における企業収益の改善や団塊世代の退職をにらんだ企業側の採用意欲の増大とともに、非労働力化していた者の労働市場への流入を背景とした雇用情勢の回復が伺えるのではないだろうか。

図1就業者数・失業者数・完全失業率の推移 図2各状態間のフロ−
図3非労→就業への移行者数変動分の要因分解 図4年齢別の就業希望非労働力人口の変動
備考

担当:参事官(経済財政分析−総括担当)付 井上 裕介 直通:03-3581-9527

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

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