今週の指標 No.675 目次   前へ 次へ 2005年11月7日

アメリカ:ガソリン価格は高値修正へ

<ポイント>

  1. 8月末から9月の上旬にかけてメキシコ湾岸を襲ったハリケーンの影響により、アメリカのガソリン価格は一時1ガロン3ドル台まで急騰したが、実需、製油所の精製能力、原料となる原油価格の動向等から9月後半以降下落に転じている。(図1)

  2. 実需の先行きについてみると、今後のガソリン需要は、ガソリン消費の季節性から低水準で推移することが見込まれる。アメリカでは例年4月から9月にかけての期間が「ドライブシーズン」と呼ばれ、ガソリン消費が活発になる一方、秋口以降は需要が減退するという傾向がある。(図2)

  3. また、ガソリン価格の上昇に伴い、買い控えの効果が生じている。小売統計におけるガソリン売上高(金額ベース)はガソリン価格の上昇を受けて伸びているものの、ガソリン価格で実質化した売上高(数量ベース)をみると、ガソリン価格が急騰した8月から9月にかけて、需要が減退していることがわかる。(図3)

  4. 製油所の精製能力については、ハリケーンの影響でメキシコ湾岸の精油所の一部が操業を停止していたため、精油所の稼働率は一時70%程度まで急低下したが、現在では80%程度まで上昇してきており、ガソリン供給のボトルネックとなっていた精製能力は回復しつつある。(図4)

  5. 原油価格については図1で見たように、ハリケーンの影響による需給ひっ迫懸念から上昇した後、緩やかな下落に転じており、IEA(国際エネルギー機関)が主導した先進国による石油備蓄の放出やアメリカの暖冬観測などから10月末にはWTI先物価格が1バレル60ドルを割り込むなど落ち着きを取り戻しつつある。これらを踏まえると、今後冬場にかけてのアメリカのガソリン価格は実需の動きを反映し、一時の高値は修正されるものと考えられる。


図1.原油及びガソリン価格の推移

担当:海外担当参事官付 田口 儀人 直通:03-3581-9536

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。


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