今週の指標 No.673 目次   前へ 次へ 2005年10月31日


原油価格高騰の地域経済への影響

<ポイント>
  1. 原油価格の高騰に伴い、石油製品の価格の上昇が続いている。農漁業や運輸業で用いられるA重油や軽油、灯油では04年1月に比べ、6割程度上昇した(図1)。
  2. 各地域の消費支出に占めるガソリン支出、灯油支出の割合をみると、都市圏では低く、地方圏では高いという傾向がみられる。特に北海道や東北、北陸といった寒冷地では、冬場の灯油の消費量が多く、全国平均を大きく上回っており、今後、個人消費への圧迫要因になることが懸念される。(図2)。また、消費者物価をみると05年4−6月期では、自動車等関係費(自動車購入費やガソリン代、自動車保険料など)が全地域で、消費者物価の上昇に寄与している(図3)。
  3. 景気ウォッチャー調査においても、「物流コストの値上がりなどで、利幅は縮小し続けている」や、「冬に向けて暖房用の灯油や重油の高値が懸念される」など製造業や輸送業、ガソリンスタンドを中心に多くの企業から原油高騰の影響や先行きを懸念するコメントが寄せられている(表1)。
  4. なお、ガソリン店頭価格の上昇には地域差がみられる(図5)。ガソリン店頭価格は、各販売店の経営体力、輸送コスト、競争環境(店舗数)等によって左右するが、原油価格の高騰によって価格競争の激しさに拍車が掛かかり、ばらつきは今後も広がる可能性がある。
  5. 原油価格高騰の影響は、地域や業種によって差がみられるものの、今度とも地域経済への影響に注意が必要である。

図1値上がりする石油製品 図2家計に占めるガソリン支出と灯油支出
図3消費者物価指数
表1景気ウォッチャー調査コメント
図4地域差の広がるガソリン価格

(備考)
  1. 図1は日本銀行「企業物価指数」により作成。重油はA重油。
  2. 図2は総務省「家計調査」により作成。ガソリン支出割合は、02年8月〜05年7月の消費支出に占めるガソリン支出の単純平均。灯油支出割合は、過去3年の冬季(12月〜2月)期間中の消費支出に占める灯油支出の単純平均。
  3. 図3は総務省「消費者物価指数」により作成。
  4. 表1は内閣府「景気ウォッチャー調査」により作成。「判断」の「▲」は、「やや悪くなっている」ことを示す。
  5. 図4は石油情報センター「給油所石油製品市況調査」により作成。現在の価格は、05年7〜9月のガソリン店頭価格(税込)の単純平均。上昇率は、04年7−9月期と05年7−9月期の比較。


担当:参事官(地域担当)付 京極 学 直通 03-3581-0818

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。



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