今週の指標 No.672 目次   前へ 次へ 2005年10月31日

中小企業の資金環境に改善の兆し

<ポイント>

  1. 中小企業の財務状況が改善傾向にある。日銀短観(9月調査)では、3ヶ月前の同調査に比べて、売上高は0.5%増加、設備投資額が6.3%増加とそれぞれ上方修正されている
    (表1)。
    増加するであろう運転資金・設備投資資金について、資金面での環境はどのように変化しているのかをみてみたい。
  2. 中小企業の資金繰り判断DIは、前回より1ポイント上昇し、改善が続いている(図1)。
    実際の銀行の貸出残高(特殊要因調整前)(注)をみてみると、中小企業向けの貸出残高は、前年比マイナスであるが、マイナス幅は縮小の傾向がみえる(図2)。
    また、9月の特殊要因調整後(注)の総貸出平残は、前年同期比で、銀行計は0.4%増加と、8月に続き上昇している。なかでも地方銀行では4.2%増加となっており、大きな伸びとなっている(図3)。
    (注)特殊要因とは、(1)貸出債権流動化要因、(2)為替変動要因、(3)貸出債権償却要因のこと。
  3. 10月25日に日本銀行より発表された「主要銀行貸出動向アンケート調査」で、資金需要を主体別にみると、地公体等向けは減少、個人向けは横ばいとなる中で、企業向けの資金需要が前回より11ポイントの上昇となっている(図4)。
    更に企業向けを企業規模別でみると、全体的に上昇傾向にある。中小企業向けについても、13ポイント上昇し、大きな上昇幅となっている(図5)。
    以上のような状況から、中小企業の資金需要が増加し、金融機関もそれに対応する状況になってきていると言えるであろう。

表1.中小企業の2005年度計画 図1.企業の資金繰り判断DI
図2.国内銀行買出先別貸出残高 図3.業態別銀行貸出(特殊要因調整後)
図4.主体別資金需要判断 図5.企業規模別資金需要判断

担当:参事官(経済財政分析-総括担当)付 藤原健一 直通:03-3581-5854

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

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