今週の指標<No.670> 目次   前へ 次へ 2005年10月17日


ユーロ圏:これまでは安定しているコアHICP物価上昇率


<ポイント>
  1. ユーロ圏の総合消費者物価指数(HICP)上昇率は、6月以降、ECBの政策目標(2%を下回るが2%に近く)を上回る動きが続いており、9月は前年同月比2.5%となった(図1)。今後も原油価格が高止まりした場合、当面HICP上昇率は2%を上回る可能性が高い。

  2. しかし、全体を引き上げているのはもっぱらエネルギー関連であり、コアHICP上昇率は落ち着ついている(図1)。

  3. コアHICP上昇率の項目別寄与度をみると、2004年1月にドイツの医療制度改革によって被保険者の負担が増大したことから、年末まで医療費の上昇率の寄与(2004年寄与度0.5%)が高まったという特殊要因を除けば、いずれの項目においても安定している(図2)。  

  4. この背景として、生産者物価の項目別寄与度をみると、エネルギー価格が上昇する中、消費財価格は安定した動きを示している(図3)。一方、2004年半ば頃まで安定していた単位労働コストは、その後、労働生産性上昇率の縮小とともに伸び率がやや高まっている(図4)。
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  6. このようにエネルギー価格の上昇は、他の財の価格に転嫁される段階には至っていないものの、原油価格の高騰が続き、単位労働コストも上昇する中で、今後このような「二次的影響」が顕在化すれば、コアHICP上昇率も高まっていく懸念がある。9月以降、ECB要人による警戒発言も相次いでおり、今後のHICP上昇率の動向には注視が必要である(表1)。



(図1)HICP物価上昇率の推移(図2) コアHICP物価上昇率の項目別寄与度(図3)生産者物価の項目別寄与度(図4)単位労働コストの推移(表1)二次的影響についての要人発言 

      担当:海外担当参事官付   葛城 麻紀  直通 03-3581-0056

      * 本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。


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