今週の指標 No.662 目次   前へ 次へ 2005年10月3日

様々な算出方法によるコアCPI

<ポイント>

  1.  日本のコアCPIは生鮮食品のみを除いているが、諸外国では、食品全体や石油製品などのエネルギー関係の品目、住宅ローン金利、間接税、公共サービス料金などを除いている国がみられる(表1)。このように、原油市況や天候や制度変更など外生的要因により価格が変動する品目は、国内のマクロ経済的な需給要因を反映した基調的な物価ではないため除去している。
  2.  そこで、まず日本のコアCPIを、例えばアメリカのように食料・エネルギーを除いたベースでみると、足元では食料・電気代が下落に寄与しているものの、石油製品の上昇寄与が大きいため、それらを除いた米国型コアCPIの前年比マイナス幅は、日本のコアCPIよりも大きい(図1)。
  3.  また、これとは別に、近年において天候や規制緩和要因などにより変動している米類、電気代、固定電話料金、電気料金など、特殊要因と考えられる品目を除いたベースでみると、足元では石油製品などの上昇寄与を固定電話料金や米類などの下落寄与が相殺しており、前年比マイナス幅は縮小している(図2)。
  4.  一方、特定品目を「除く」コアCPIに対し、除去する品目やウエイトにかかる恣意性を排除する方法として、オーストラリアで公表されているような「刈り込み平均値(trimmed mean)」が挙げられる。これは、変動の大きい品目を一定の割合だけ機械的に除去(刈り込み)した上で、各品目の加重平均値をとるものである(図3)。刈込み平均値を用いたコアCPIをみると、IT製品のように継続して大幅下落する品目が除かれるためにマイナス幅の水準が上方に偏るものの、変動がならされており、基調的にみて前年比マイナス幅は縮小しつつある(図4)。

表1 世界各国のコアCPI
図1 米国型コアCPI(前年比)の推移
図2 特殊要因除くCPI(前年比)の推移
図3 刈り込み平均値の概念図
図4 各種コアCPI(前年比)の推移

担当:参事官(経済財政分析-総括担当)付 井上 崇 直通:03-3581-9516

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

目次   前へ 次へ