今週の指標 No.661 目次   前へ 次へ 2005年10月3日

中堅・中小企業向けを中心に減少幅が縮小する銀行貸出

<ポイント>

  1. 中堅・中小向けの貸出の減少幅が縮小(図1)している要因として、第一に大企業と同様に過剰債務の調整が一巡し、有利子負債圧縮の動きが一段落しつつあることがあげられる。中堅・中小企業の有利子負債キャッシュフロー比率は2003年度以降、バブル期以前の水準まで低下しており(図2)、資金需要も徐々にではあるが、回復傾向にある(図3)。
  2. 第二の要因として、不良債権問題の正常化による金融機関の貸出スタンスの改善があげられる。中堅・中小企業の長期借入金は、97年末の金融危機を背景に金融機関の貸出態度が厳しくなると、大企業と比較して、大幅に減少した(図4、図5)。銀行借入に代替する資金調達手段が限られている中堅・中小企業にとって(図6)、金融機関の貸出態度が大企業より強く影響していると考えられる。
  3. 今回の貸出態度の回復局面において、中堅・中小企業に対する改善テンポは大企業と同様に確かなものとなっている(図4)。こうした状況下、今後景気が着実に回復し設備投資の増加に伴って、中堅・中小向けを中心に銀行貸出が回復し、増加していくことが期待される。

図1 国内銀行貸出先別貸出金(企業規模別) 図2 有利子負債キャッシュフロー比率 図3 資金需要判断D.I. 図4 金融機関の貸出態度D.I. 図5 企業規模別金融機関借入金の推移 図6 企業規模別資金調達構成

担当:参事官(経済財政分析−総括担当)付 石川廉郷 直通:03-3581-5854

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

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