今週の指標 No.658 目次   前へ 次へ 2005年9月26日

首都圏マンション「2005年問題」は現在のところ顕在化していない

<ポイント>

  1. 首都圏のマンション市場動向をみると、2004年の新規供給戸数は8万戸台で推移し、90年代前半に比べ高い水準が続いている(図1)。このことから、一部では、供給過剰が起こり、在庫戸数が積み上がり、分譲価格の値崩れを起こすのではないかとの懸念が、首都圏マンションの「2005年問題」として指摘されている。しかしこれまでのところ、在庫戸数は低水準で減少を続け、分譲価格の値崩れもみられない(図2)。
  2. この背景として、デベロッパーが少戸数ずつ多期間に分けて販売する「期分け販売」によって、新規供給戸数を調整し、在庫物件の販売に注力していることが挙げられる。新規供給戸数をやや抑制するなか(図1)、初月販売率は高水準で維持され、売れ行きが好調であることも一因である(図3)。特に、超高層物件(20階建て以上)のシェアが高まるなか(図4)、超高層物件の初月販売率は90%程度と高水準であり、好調なマンション販売の下支えとなっている。超高層マンション居住者に対して、仮に住み替えるとした場合に希望する地域を尋ねたアンケート結果では、都心地域と回答する割合が65%程度を占めており、都心での居住志向の高さが伺える(図5)。
  3. 首都圏のマンション着工戸数をみると、物件の大規模化により月々の増減が激しくなっているが、2005年上半期は前年同期を上回り引き続き堅調である(図6)。このため今後の新規供給戸数は当面、高水準の状態が続くものと考えられる。今後もマンション販売が好調に推移するかどうかは、地価や金利などの動向にもよるが、依然として供給過剰問題の顕在化がマンション着工のリスク要因の1つとして考えられるため、市場動向に留意が必要である。

図1.首都圏マンションの新規供給戸数
図2.販売在庫戸数と1戸あたり平均分譲価格
図3.首都圏マンションの初月販売率、図4  超高層マンションの新規供給戸数
図5.超高層マンション居住者の住み替え時に希望する地域
図6.首都圏マンションの着工戸数

担当:参事官(経済財政分析−総括担当)付 植田 博信 直通:03-3581-9527


本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

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