今週の指標 No.657 目次   前へ 次へ 2005年9月20日

存在感を増すリース産業

<ポイント>

  1. 第3次産業活動指数は、経済のサービス化の流れの中で前年比2%程度の緩やかな増加基調が継続しており(図1)、04年末以降横ばいが続いている鉱工業生産に代わり、全産業活動指数の主たる押し上げ要因となっている(図2)。
  2. その中でも安定して増勢を続けているのが対事業所サービスであり(図3)、特にリース業の伸びが目立っている(図4)。リース活動指数の上昇要因を分析すると、デフレータ(リースの企業向けサービス価格)が電子計算機・同関連機器を中心に下落していることが寄与している一方(図5)、04年以降は企業収益の回復を背景に、リース取扱高増の寄与もプラスに転じている(図6)。
  3. リース事業活動が活発な理由としては、設備所有に伴う事務管理(例:減価償却、固定資産税の申告・納付、保険料支払)の省力化など、元来から認識されてきたメリットに加えて、昨今のキャッシュフロー経営の重視や減損会計(平成17年4月1日以後開始する事業年度から適用が強制)の導入を背景として、企業が固定資産減損のリスク回避等を指向していることが、リース業の活用を後押ししていると考えられる(注)
    企業による過去数年の過剰設備解消の過程では、「既存設備のアウトソーシング置き換え」でリースの活用が進んできたと考えられるが、企業体質が強化された今後も、上記のような理由から、好不況にかかわらずリースによる設備を活用するケースが増えると考えられ、当面堅調な傾向が継続すると期待される。

    1. 注:現在の日本の会計基準では、「ファイナンス・リース取引(=リース期間中途での契約解除ができず、借手がリース物件による経済的利益を実質的に享受し、使用コストを実質的に負担する取引)」の内、所有権移転を伴わないものについては、貸借対照表への計上に代えて注記を行うことが、リース会計基準における例外処理として認められている為、固定資産減損の影響を受けない。

(図1)安定した上昇を続ける第3次産業活動指数 (図2)全産業活動指数の寄与度分解 (図3)事業所向けサービスの伸びが大きく寄与 (図4)特にリース業が続伸
(図5)リースの価格指数は大きく低下 (図6)売上増による寄与もプラスに

(備考) 
  1. 経済産業省「第3次産業活動指数」「全産業活動指数」「特定サービス産業動態統計調査」、日本銀行「企業向けサービス価格指数」、リース事業協会公表資料より作成。全産業活動指数は農林水産業生産指数を除くものを使用。
  2. 図1は季節調整値、後方3ヶ月移動平均。その他は原数値。
  3. 図6の要因分解は、第3次活動指数における当該業種指数の正確な算出式が公開されていない為、業種別採用実数データ 及び デフレータを考慮し、最小二乗法により近似値を算出して傾向を判断した。

担当:参事官(経済財政分析−総括担当)付 新屋 吉昭 直通:03-3581-0806

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

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