今週の指標 No.655 目次   前へ 次へ 2005年9月12日

設備投資の増加によって減少に転じるフリーキャッシュフロー

<ポイント>

  1. 今回の景気回復局面において、企業部門の体質改善が続いていることに比べ、設備投資は控えめである。設備投資はキャッシュフローの範囲内に留まり、製造業・非製造業ともにフリーキャッシュフローはかつてないほど潤沢となっている。
  2. しかしながら、05年度にはこのような状況からの変化が見込まれる。「日銀短観」(6月調査)の設備投資計画や堅調な滑り出しを見せた「法人企業統計季報」の4-6月期の設備投資(季調済前期比1.7%増、前年同期比6.7%増)からみると(図1)、製造業・非製造業ともに減価償却費を上回る投資が計画され、特に鉄鋼・化学等において顕著となっている(図2)。
  3. さらに、製造業では、企業収益の改善が持続しキャッシュフローが4年連続の増加となる中で、輸送機械を中心として設備投資がより積極化する結果、フリーキャッシュフローは4年ぶりに減少に転じることが見込まれている(図3)。
  4. なお、フリーキャッシュフローの使途としても、これまでの有利子負債削減の動きが一服しつつある一方で、配当等の株主還元が増加傾向にある(図4)。設備投資も一段と増加してきており、企業のスタンスが積極化しつつあることがうかがえる。

図1 製造業・非製造業の設備投資
図2 設備投資とキャッシュフロー
図3 フリーキャッシュフローの推移
図4 有利子負債増減と配当の推移(全産業)
(備考)

担当:参事官(経済財政分析−総括担当)付  岸野 崇 直通:03-3581-0806

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

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