今週の指標 No.652 目次   前へ 次へ 2005年8月29日

減少傾向が続く公共工事 ‐災害復旧費増加の影響は限定的‐

<ポイント>

  1. 2005年に入ってからの公共工事の動向をみると、昨年の台風・地震に対する災害復旧等事業費の予算措置(平成16年度補正予算)を反映した受注増加がみられた。
    (1)建設工事受注動態統計(以下、「受注」という。)では、2月から6月にかけて、災害復旧費が前年同月を大きく上回っている(図1)。
    (2)地域別の公共工事前払金保証統計(以下、「請負」という。)では、ほぼ同時期(1月から6月あたり)に、新潟を含む北陸や昨年の台風被害の大きかった四国の公共工事請負額が前年同月を上回っている(図2)。
  2. しかしながら、以下のとおり、公共工事全体でみると、災害復旧工事受注の増加寄与は限定的であったといえる。
    (1)「受注」では、災害復旧関連の増加よりも、その他一般的公共工事受注の減少の幅が大きく(大型工事受注があった3月を除く。)、受注総額では前年同月比でマイナスとなっている(図3)。
    (2)「請負」では、1月から6月までの間、北陸・新潟、四国の公共工事請負額が前年同月比で増加しているに関わらず、全国の請負金額総額ではマイナスが続いている(図4)。
  3. 今年度も国や各地方公共団体の予算において公共投資関係費の削減が進んでいる(図5)。 このような状況を踏まえて、今年度の公共投資は、災害復旧関連工事受注の一時的な増加がみられたもの、地方機関発注公共工事を中心に、引き続き総じて低調に推移している傾向には変わりがないと考えられる。

災害復旧費の受注増加傾向(前年同月比) 北陸・新潟、四国の公共工事請負額の増加傾向(前年同月比) 公共工事受注全体に対する災害復旧費の増加寄与度 公共工事請負全体に対する北陸・新潟、四国の増加寄与 05年度の投資的経費関連予算

(備考)
1.図1,3は国土交通省「建設工事受注動態統計」、図2,4は北海道、東日本、西日本三保証株式会社「公共工事前払金保証統計」、図5は財務省及び総務省公表資料により作成。
2.図2,4の数値は、「北陸」が新潟、富山、石川、福井、「四国」が徳島、香川、愛媛、高知の各県内の請負工事の総計をさす。

担当:参事官(経済財政分析ー総括担当)付 加倉井 祐介 直通:03-3581-9527


本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

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