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<ポイント>
- 中国人民銀行は7月21日19時、94年以来11年半にわたって採用してきた、事実上ドルにペッグしていた管理変動為替制度か
ら、通貨バスケットを参考とした管理変動相場制度への移行を発表し、即日実施した。その際、人民元の対ドルレートは1ドル=8.2675元から8.11元
へと、約2%程度切り上げられた(図1)。なお、人民元の対ドルの変動幅は「人民銀行が公布した前日の終値を中心参照レートとして上下0.3%の範囲内」
とし、従来から変更されなかった。ドル以外の通貨の変動幅に関しては、同様に人民銀行が公布した前日の終値を中心参照レートとして、上下1.5%の範囲内
となった。今般の制度変更は、11年半ぶりの変更であり、歴史的な意義もあるものとみられる。
- 新しい為替制度について、当局は、「もはやドルにペッグせず、市場の需給にのっとった、より柔軟性の高い」ものであると説明して
いる。その一方で「参考とする」通貨バスケットに関しては、バスケットとしての基準レートや変動幅、構成通貨名等明らかになっていない点が多い上、実際の
切上げ後の為替レートの動向をみても、ほとんど変動はみられていない。
さらに、今回の切り上げ幅が市場の大方の予想よりも小さく、当面の経済への影響は軽微とみられることから、市場の追加切上げ観測を高めている。例えば、人
民元のNDF(1年物)をみると、制度変更後断続的に、対ドルで0.5%以上増価する動きを示しており、追加切上げを見込んだ投機的資金の流入が一層増加
しているものとみられた。
- こうした状況に鑑み、当局は26日、人民元レートの更なる切り上げを否定する趣旨の追加声明を行った。その中で、中国がこのタイ
ミングで制度変更を行った背景として、対外貿易不均衡拡大による貿易摩擦の激化、(図2)や内需押上げの必要性、外貨準備高の急速な積み上がり等を挙げ、
中国自身の改革と発展のために実施したとしている。そして、国内金融政策の独立性の確保や金融面におけるマクロコントロールの効率性の改善、予防的な政策
運営等に資するものとしてあくまで外圧(表1)による変更ではないという姿勢を示している。
同時に、為替の大幅な変動は経済や金融市場に多大なショックを与えることから、人民元が安定的に適正な水準で推移するよう、引き続き当局が「管理」するこ
とについても明言した。
この声明後、NDFは若干の減価の動きを示してはいるものの、反転までには至っていない。今後は、いかに市場の需給に応じた為替の柔軟性が確保されていく
かどうかが重要であり、その運用を注視していく必要がある。
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