今週の指標 No.629 目次   前へ 次へ 2005年5月30日

ボーナスの増加は消費を下支え

<ポイント>

  • 毎月勤労統計調査の賞与の結果では、昨冬の賞与が前年比2.7%増となり、冬期賞与では96年以来8年ぶりの増加となった(図表1)。このボーナス増は消費を押し上げたのだろうか。家計調査の2004年度の結果をみると、以下に示す3つの結果から、ボーナスがある程度消費を下支えしていた可能性が高いと考えられる。

    1. ボーナスのある「勤労者世帯」と「勤労者以外の世帯」の消費支出を比較すると、勤労者世帯では消費支出が伸びたものの、それ以外の世帯では伸びていない(図表2)。ここから勤労者世帯の所得面に好材料があったものと推測されるが、ボーナスを除いた定期給与には増加がみられていない。

    2. 家計調査の中にある選択的支出*は、定期給与に比べボーナスとの相関が高く(図表3)、その選択的支出は、勤労者世帯では2004年度に大きく伸長している。また、テレビなどの耐久財のように購入頻度が年に1度未満である「経常的支出*以外の支出」についても昨年度は増加しており、これもボーナスによる影響が大きいと考えられる。     
      *選択的支出:支出弾力性(消費支出総額の変化率に対する費目支出の変化率の比)が1.00を超える支出のこと。つまり、所得の変化に比較的影響を受けやすい支出のこと。
      経常的支出:1世帯あたり年に1回は購入している品目のこと。


    3. 支出費目別にボーナスと相関の高いものは、身の回り品、健康保持用摂取品、寝具類、自動車、教養娯楽関係といった費目が挙げられる。これらの支出は、2004年度に比較的好調な伸びを示している(図表4、5)。

  • 各種機関の調査によると、本年度についてもボーナス増加が示されており(図表1)、上記の費目などを中心に消費をある程度下支えするものと思われる。ボーナスの増加は一時的な所得として貯蓄に回されるという可能性はあるが、ボーナス増が継続することで所得リスクが軽減され、昨年以上にそれが消費に回る可能性も考えられる。定期給与の大幅な上昇が期待できない中では、このボーナスが今後の消費に大きく影響する要素となりつつあると考えられ、その動向に注視していく必要があるだろう。
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図表1.毎勤賞与の結果  図表2.勤労者世帯と勤労者以外の世帯の消費支出

図表3.「選択的支出」と「経常的支出以外の支出」

図表4.費目別支出(勤労者)とボーナスの相関  図表5.費目別支出(勤労者)の伸び

備考


担当:参事官(経済財政分析−総括担当)付 青木 紀和 直通 03-3581-9516 

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。



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