今週の指標 No.627 目次  前へ 次へ 2005年5月23日

有効求人倍率横ばいの背景と今後の動きについて

<ポイント>

  1. 有効求人倍率は、2002年1月の景気の谷以降、着実に上昇してきたが、05年1月以降3ヶ月連続で0.91倍と、このところ横ばいで推移している(図1)。今回、この背景と今後の動きについて考えてみたい。
  2. 有効求人倍率の動きを有効求人数要因および有効求職者数要因に要因分解してみると、今回の景気回復局面では、有効求人数の増加および有効求職者数の減少が上昇に寄与していたが、05年に入り、既に過去最高の水準で推移している有効求人数の伸びが鈍化し、有効求職者数が微増に転じたことから、有効求人倍率が横ばいとなったことがわかる(図2)。
  3. この背景としては、(1)04年後半からの景気の踊り場状況が求人数および求職者数に影響を与えたこと、(2)有効求人数に対する充足率(就職者数/有効求人数)は、バブル期以降かなり低い水準まで低下してきており、就職者数が頭打ちになることが考えられる。後者については、中途採用市場が逼迫しつつあることから、企業の需要が新卒者に向けられている可能性が考えられる(図3)。
  4. 企業の高校新卒に対する求人数は前年比で2年連続の増加となっており、特に05年3月卒に対する求人は前年比14.8%増と大幅に増加してきている。その結果、就職内定率も前年比で上昇し、新卒の就職環境が改善していることがわかる(図4)。
  5. 中期的な観点からは企業の今後3年間の雇用者数の見通しが12年ぶりにプラスに転じるなど、雇用者数増加の環境は整っている(図5)。今後、少子化の影響により新卒者は減少していくトレンドであり、企業は新卒採用のみで雇用需要を満たすことは困難と考えられる。内閣府企業行動アンケート調査では、企業は今後5年間でさらに中途採用を積極化させることが示されていることなどから、求人をめぐる環境は傾向として底堅いものと考えられる。

図1・2 有効求人倍率の推移、要因分解
図3・4 充足率、高卒内定率
図5 今後3年間の雇用者数の見通し

担当:参事官(経済財政分析−総括担当)付 有馬 基之 直通:03-3581-9516


本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

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