今週の指標<No.625> 目次  前へ 次へ 2005年5月9日


中国:鈍化傾向がみられる輸入

<ポイント>
  1. 中国経済は依然として9パーセントを上回る高い成長を続けているものの、輸入(名目ベース)は2004年前半の前年比42.5%増から、年後半には同30.2%増とその伸びが鈍化した。2005年に入ってからも1−3月期は同12.2%に低下し、鈍化傾向はより強まっている(図1)。主要な輸入品について輸入全体の伸びに対する寄与度をみると表1のようになる。2004年前半から後半にかけてICマイクロ電子部品、鉄鉱石、自動車部品を中心に寄与度が低下していることがわかる。2005年に入ってからの動きをみるために足元の1-3月期を2004年後半と比較すると、これらの品目に加え、原油の寄与度が大きく低下している。
  2. 名目ベースで輸入の伸びの鈍化に大きな寄与がみられた品目については実質ベースにおいても輸入の伸びが鈍化傾向にあることがうかがえる(図2)。産業別固定資産投資(実質ベース、表2)と比較すると、2004年後半から伸びが大幅に低下している鉄鉱石については、2004年から続いている一連のマクロコントロールにより投資抑制が実施された鉄金属精錬業の投資の伸びの低下も影響していると考えられる。ICマイクロ電子部品については中国国内における携帯電話の過剰生産などが伸びの低下に影響しているものとみられる。自動車部品については、値下げ続く中で依然低迷している自動車販売を反映しているものとみられ、実質ベースでも2004年後半から減少している。
  3. 温家宝首相は、4月27日の国務院常務会議において不動産価格が大幅に上昇し、不動産投資規模が過度に大きいとしてさらなるマクロコントロールの強化が必要であると指摘している。3月中旬に不動産価格の上昇状況に応じた頭金比率引上等の措置が講じられており、今後不動産投資に対する抑制効果が顕在化すれば、輸入の鈍化に寄与する要因となる可能性がある。


(図1)輸出入及び実質GDPの伸び率の推移(前年同期比,%) (表1)主要輸入品目の前年比寄与度の推移

(図2)主な輸入品(実質ベース)の伸び率の推移(前年同期比) (表2)産業別固定資産投資の推移(実質ベース)

担当:海外担当参事官付

茂野 正史  直通 03-3581-9537    山村 一夫  直通 03-3581-9537 

* 本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。


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