今週の指標 No.622 目次   前へ 次へ 2004年4月25日

最近の物価動向と広がる需給ギャップ

<ポイント>

  1. 原油価格高が続いており、その影響は国内企業物価にもあらわれてきている。そこで、最近の物価動向の分析を行った。
    まず、国内企業物価の最近の動きをみると、原油価格高(図1)を反映し、石油製品、化学製品が押し上げ要因となり、2ヶ月連続で前月比がプラスとなっている(図2)。しかし、最終財の動きをみると、石油製品で原油高の影響がみられるものの、前年比では緩やかな下落が続いている(図3)。
  2. 消費者物価についても、今後、石油製品が押し上げ要因となっていくことが予想されるが、足元では、前年と比べて米価格が下落しているほか、固定電話通信料や電気代の引き下げもあり、前年比で小幅な下落基調が続いている(図4)。また、本邦の主要なエコノミストによる消費者物価上昇率の予測をみても、その平均は下方修正が続いている(図5)。
  3. このように、素材価格の上昇という供給要因は物価を押し上げる方向に働くにも関わらず、依然日本経済は緩やかなデフレ状況にある。その原因をみるため、物価変動の主要因の一つである需給要因の動向を調べるために、GDPギャップの推計を行った。今回の推計によれば、GDPギャップは2004年第2四半期以降、若干拡大している。GDPギャップは1〜2四半期ラグをもって物価に影響を与えると考えられることから、05年第1四半期の物価動向に影響を与えていると考えられる。
  4. このように、供給要因が物価押し上げの方向に動いているにも関わらず、緩やかなデフレ基調が続いている背景には、需給ギャップが若干広がったことが背景にあると考えられる。

図1 原油価格の動向   図2 国内企業物価の動き(前月比寄与度)  図3 財別にみた国内需要財の価格動向(前年比寄与度)
図4 消費者物価の動向(前年比寄与度)   図5 エコノミストによる消費者物価上昇率の予測   図6 最近のGDPギャップの動き

担当:参事官(経済財政分析-総括担当)付 前中 康志 直通:03-3581-5854

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

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