今週の指標 No.620 目次   前へ 次へ 2005年4月18日

弱含むアジア向け輸出

<ポイント>

  1. 貿易統計の輸出数量指数(季節調整値)をみると、アジア向け輸出は、弱含みとなっている。(図1)。品目別の輸出金額では、主力の一般機械と電気機器が横ばいとなっている(図2)。
  2. 2月の弱含みについては、旧正月にあたる春節の前後で、最長1週間程度休日が続く影響が大きいと思われる。春節要因を除外するため、輸出数量指数の季節調整値(3ヶ月移動平均)と原数値を比較してみると、例年、春節に当たる月は大きく原数値が減少しているのがわかる(図3)。
    05年の季節指数(季節調整値=原数値÷季節指数)では、1月の値は平均値より低く、例年以上に季節調整値を押し上げるよう季節調整がされたことがわかる。一方で、2月の値は、過去平均値並の季節指数であり、実際の輸出は、季節調整値の結果ほど落ち込んでいない可能性が高い。その結果、春節の時期をはさみ、上下の振幅が大きくなっていると考えられる。
  3. 05年の1−2月については、自動車販売が中国国内で減速してきていることもあり、輸出全体に占めるウェイトは大きくないものの(7.0%:04年金額シェア)輸送用機器がアジア向け輸出を押し下げる結果となった(図5)。
  4. 最近公表されたアジア開発銀行(ADB)の見通しによると、日本など先進国を除くアジア太平洋地域の成長率は、05年で6.5%と04年実績の7.3%より低下するものの大きな減少はなく(表6)、今後の日本のアジア向け主力地域(図7)への輸出は下支えされるものと考えられる。
    ただ、アジア向け輸出は、均してみても弱含みになっていることや、前述のとおり、主力の一般機械と電気機器に、これまでのような力強さがなくなって来た点は否めず、今後の動向には注意が必要であるといえよう。

図1.アジア向け輸出数量指数(季節調整値)
図2.アジア向け輸出金額(季節調整値)
図3.アジア向け輸出数量指数、図4季節指数の動向
図5.アジア向け輸出金額の前期比の寄与度分解
図6.アジア開発銀行による経済見通し、図7.日本のアジア向け輸出金額シェア

担当:参事官(経済財政分析-総括担当)付 林 厚志 直通:03-3581-9527


本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

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