今週の指標 No.610 目次   前へ 次へ 2005年3月7日

減少傾向が続く地方普通建設事業費

<ポイント>

  1. 総務省資料(平成16年12月24日公表)によると、2003年度の地方「普通建設事業費」は前年度比12.4%の大幅な減少であった。歳出総額が前年度比2.4%減であったことに比べても、減少幅の大きさが目立つ。各年度の地方財政計画と決算を比較すると、1990年代後半から決算が地方財政計画を下回る状況が続いており、近年、このかい離は徐々に拡大している(図1)。
  2. 都道府県・市区ごとの「普通建設事業費」決算状況で01年度から03年度の「普通建設事業費」の変化をみると、普通建設事業費が20%以上減少している自治体の増加が特に目立つ(図2、図3)。これは、各自治体が厳しい財政状況により、「普通建設事業費」をここ数年で大きく削減しているためである。
  3. 「2」の01年度から03年度の「普通建設事業費」で減少傾向を、99年度から01年度の傾向と比べると、都道府県・市区ごとで次のことがわかる。
    (1)都道府県では、ほとんどの自治体(98%)で「普通建設事業費」減少が続いており、10%から20%未満減少の自治体が減った分、20%以上減少した自治体が増えている(図2)。
    (2)市区では、「普通建設事業費」が増加している自治体は、依然として全体の4分の1ほどあるが、その数は大きく減っている。「普通建設事業費」が増加していた自治体が減った分、20%以上の大幅減少の自治体が増えている(図3)。
  4. 今年度についても、地方発注の公共工事請負額は、1月までの累計で前年度比10.6%減であり、年度末に向けて引き続き低調に推移していることがわかる(図4)。
  5. 来年度の各都道府県の一般会計予算案によると、「普通建設事業費」は、全体で前年比7.4%程度の減となる見通しであり、地方の「普通建設事業費」は、全体としては依然として厳しい状況が続くと考えられる。

    *(注) 「普通建設事業費」とは、地方公共団体の経費の中で、道路、橋りょう、学校、庁舎等公共又は公用施設の新増設等の建設事業に要する経費のことをいい、自治体が国から負担金や補助金を受けて実施する「補助事業費」、自治体が国からの補助金等を受けずに、独自の経費で任意に実施する「単独事業費」、「国直轄事業負担金」からなる。ちなみに、今後、昨年の台風や地震の影響で一部の自治体で増加が見込まれる「災害復旧事業費」は、「普通建設事業費」には含まれない。

普通建設事業費の推移 都道府県ごとの普通建設事業費決算でみる公共事業減少傾向 市区ごとの普通建設事業費決算でみる公共事業減少傾向 2004年度の公共工事請負額(地方発注分の各月までの累計額)の推移
(備考)
1.総務省「地方財政計画」、「地方財政の状況」、「都道府県別決算状況調」、「市町村別決算状況調」、北海道、東日本、西日本三保証株式会社「公共工事前払金保証統計」により作成。

担当:参事官(経済財政分析ー総括担当)付 加倉井 祐介 直通:03-3581-9527

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。


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