今週の指標 No.609 目次  前へ 次へ 2005年2月28日

企業の設備投資を取り巻く環境は改善が続く

<ポイント>

  1. 今回の景気回復局面で企業の設備投資は増加が続いているが、設備投資を取り巻く環境について見てみる。企業は、設備投資の積極化と同時に、古くなった設備の除却を進めており、資本ストックの調整圧力はいずれの業種でも概ね低下している。90年代以降、新設設備投資や既存設備更新を控えてきたために設備のビンテージが一貫して上昇してきたが、最近では新規投資が増加し設備廃棄が活発化している結果、資本ストックの伸びが小さくなっている(図1)。この状況は特にサービス業で顕著であり、新規投資が増加し、ビンテージもわずかながら低下している(図2)。
  2. また、債務償還年数(有利子負債残高をキャシュフローで返済するのに必要な年数)はバブル崩壊前の90年頃の低いレベルにまで低下してきている(図3)。特に、非製造業は03年以降過去最低水準を更新し続けており、負債削減が進捗し企業の設備投資余力が増加しつつある状況となっている。この動きは卸・小売業やサービス業において顕著であり、債務償還年数は80年代初頭の水準をも下回り過去最も低いレベルとなっている(図4)。
  3. このような設備投資がどの程度の付加価値を生み出しているかを、いわゆる設備投資効率(有形固定資産で付加価値を割った比率)で見てみる。製造業・非製造業とも設備投資効率は趨勢的に低下してきたが、02年頃を底として改善が進んでおり、特に非製造業については90年代半ばの水準にまで回復している(図5)。最近では、特に製造業において、有形固定資産の除却を進めながらの「筋肉質な」設備投資になってきている姿が見て取れる(図6)。
  4. このように、企業の設備投資を取り巻く環境は改善が続いており、堅調な設備投資につながっているものと考えられる。

図1 設備投資と除却の動向(全産業)
図2 設備投資と除却の動向(サービス業)
図3 債務償還年数(製造業、非製造業)
図4 債務償還年数(卸・小売、サービス)
図5 設備投資効率と設備投資(製造業、非製造業)
図6 設備投資効率の変化要因(寄与度分解)
(備考)

担当:参事官(経済財政分析−総括担当)付  岸野 崇 直通:03-3581-0806

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

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