今週の指標<No.602> 目次   前へ 次へ 2005年1月24日


中国:いまだ高い伸びを続ける固定資産投資

<ポイント>
  1. 中国は2003年から2004年第三四半期にかけて、9%台のGDP成長を遂げている。その成長を主導しているのはGDPの約5割を占めるとされている固定資産投資である。
  2. 2004年初から、固定資産投資は統計上のカバレッジの変更もあり、前年同期比で急激に増加し、特に一部業種に関してはその動向が顕著に見られ、1-2月期では鉄金属は前年同期比172.6%増、非金属(セメント)は同137.3%増、非鉄金属(アルミ等)は1−3月期に89.2%増となった(図1)。これらの業種については、過剰投資が見受けられるとして、当局より抑制対象業種の中でも特に名指しされていた。このため、その抑制措置が年初から講じられてきた(表1)。
  3. 前述の抑制措置のほか、2004年10月末には銀行の貸出と預金の基準金利が9年ぶりに引き上げ(1年物で0.27%)られた。国家統計局が公表した10、11月の固定資産投資は2ヶ月連続で低下(10月:前年同月比26.4%、11月:同24.9%)していることから、一部では伸びが減速に向かっているとの見方もある。
    しかし、中央−地方の区分で見ると、中央の6倍の投資額を占める地方はいまだ高い伸びを続けており、必ずしも中央政府のコントロールは有効に機能して いるとは言い難い(図2)。7月には投資体制改革に関する決定(表2)がなされ、12月9、10日に行われた発展・改革会議においても、依然「投資拡大圧力が存在する」との認識が示されており、2005年も引き続き投資の過大な増加を抑制するとの方針が打ち出されている。
  4. 実際に2004年全体での伸びが30%(1-11月期28.9%)近い。単月でも依然、過去の平均である20%程度を大幅に上回った伸びを維持している。今の時点で固定資産投資の勢いが鈍化したと判断するのは時期尚早と言え、今後のマクロコントロール強化の動向を見守る必要があろう。


(図1)固定資産投資累積推移(図2) 中央−地方固定資産投資単月(試算値)推移 (表1)固定資産投資主な抑制措置一覧 (表2)投資体制改革に関する決定(主な内容)  

担当:海外担当参事官付  小山 陽子  直通 03-3581-9537

* 本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。


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