今週の指標 No.592 目次   前へ 次へ 2004年12月20日

堅実さがみられる企業の設備投資スタンス

<ポイント>

  1. 今回の景気回復局面の中で、企業の設備投資は増加が続いている。法人企業統計季報によれば、経常利益がバブル期のピークを上回るといった企業収益の好調ぶりに対し、設備投資の水準は91年の7割程度に留まっているが(図1)、日銀短観(12月調査)によると、2004年度の設備投資計画は大企業製造業で前年度比23.4%増となるなど、1989年以来の高い伸びとなっている。
  2. そこで、設備投資とキャッシュフロー(経常利益×0.5+減価償却費)との比較を行う(図2)。製造業では、90年代前半を除いて、概ねキャッシュフローの範囲内で設備投資を賄うスタンスとなっている。その中でも、2000年以降はスタンスがやや慎重化しており、減価償却費をベースとした投資を行っている。典型的な業種は化学や電気機械である。かつてはキャシュフローを上回る設備投資を実施したことがあった鉄鋼では、97年以降にスタンスが慎重化し、減価償却費を下回るレベルに留まっている。一方で、輸送機械については、足元でも減価償却費を上回る設備投資を実施しており、設備投資全体を引っ張っている姿が見てとれる(図3)。
  3. 非製造業では、80年代からキャッシュフローを上回る設備投資を行っていた。バブル崩壊後もこのスタンスに変化はみられなかったが、98年頃を境目にスタンスが慎重化して設備投資はキャッシュフローの範囲内に留まり、現在では製造業と同様に減価償却費程度となっている。収益好調な運輸・通信でもこうした姿勢に変わりはないが、サービスでは投資の積み上げや既往ピーク越えもうかがう積極的な投資スタンスが見てとれる。

図1.設備投資と経常利益
図2.設備投資とキャッシュフロー(製造業)
図2.設備投資とキャッシュフロー(非製造業)
図3.設備投資とキャッシュフロー(鉄鋼、輸送機械)
図3.設備投資とキャッシュフロー(運輸・通信、サービス)
(備考)

担当:参事官(経済財政分析−総括担当)付  岸野 崇 直通:03-3581-0806

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

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