今週の指標 No.587 目次   前へ 次へ 2004年12月6日

人件費からみる地方公務員削減の動き

<ポイント>

  1. 地方の財政状況は厳しい状況が続いており、平成15年度の地方自治体普通会計決算(速報値)の状況をみても、都道府県、市町村ともに、歳出総額は前年度以下に抑えられている。歳出の内訳としては、普通建設事業費と並んで人件費が大きいが(図1、図2)、ここでは人件費の動向をみてみよう。
  2. 03年度の人件費は、都道府県、市町村とも抑制されている(それぞれ前年比▲1.8%、▲1.7%)。人件費のうち、退職金などを除いた職員給(基本給+その他手当+臨時職員給与)に注目すると、都道府県、市町村とも98年以降、減少している(図3)。
  3. 人件費を抑制する方法には、賃金抑制と職員数抑制という方法があるが、ここでは職員数についてみてみよう。普通会計職員数(地方公営企業等を除く)をみると、都道府県・市町村ともここ数年は減少傾向である。特に、都道府県の一般行政職員の減少が目立つ(図4)。
  4. これは、都道府県と市町村の職員構成の違いによるものである。都道府県では教育関係(県費負担の義務教育関係職員を含む)、警察関係など特別行政職員が占める割合が高いが(図5)、こうした特別行政職員は、制度上、自治体が自主的かつ計画的に定員を適正化することが容易ではない。教員数は少子化に伴って緩やかに減る傾向にあるが、それ以上に切り詰めるのは難しい。警察については「地方警察1万人緊急増員計画」にみられるよう増強する方向にある。このため、全体の20%に満たない一般行政職員の減少幅が大きくなっている(図6)。
  5. このように人員面からの、さらなる人件費抑制は、現状では厳しい。しかしながら、各自治体が歳出総額の削減を進める中、人件費についても、今後、人員面、賃金面を総合的に捉え、何らかの人件費抑制策を進める必要がある。

歳出総額に占める人件費の割合(都道府県) 歳出総額に占める人件費の割合(市町村)
職員給の伸びからみる人件費
一般職員数(普通会計分)の推移 03年度の職員数(普通会計分)の内訳
都道府県職員(普通会計分)の前年度増減数内訳

(備考)
1.図1〜5は、各年度総務省「地方財政の状況」により作成。
2.03年度は、総務省公表資料「平成15年度都道府県普通会計決算の概要」及び「平成15年度市町村普通会計決算の概要」により作成。ただし、03年度は速報値で今後変動する場合がある。また、市町村分に一部事務組合及び広域連合の決算は含まれていないため、図2の03年度分は、当方で算出した推計値である。

担当:参事官(経済財政分析ー総括担当)付 加倉井 祐介 直通:03-3581-9527

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

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