今週の指標 No.585 目次   前へ 次へ 2004年11月29日

変化がみられる最近の資金の流れ
−商品先物市場と為替市場−

<ポイント>

  1. 10月下旬から11月中旬にかけてのWTI原油先物価格下落の一因は、一部の投機筋の買いポジション調整によるもので、この資金の一部が他商品の市場などにシフトした可能性があると言われている。また、対主要通貨で全面安となっている米ドル資産から、アジア通貨や金などへの資金シフトも活発だと言われている。
  2. WTI原油先物価格が反落した10月後半以降、同市場における投機筋の動きをみると、買い持ちを縮小させ、最近ではネットで売り越しに転じたことがわかる(図1)。一方、金先物や銅先物市場においては、投機筋の買い越しが続き、どちらの価格も約16年ぶりの高値水準で推移している(図2)。銅先物は、10月半ばに中国の銅への需要減退懸念から一時投機筋の流出がみられたものの、その後持ち直している。現物需給の逼迫というトレンドに加え、中東情勢への不安やドル安も非鉄金属(特に安全資産としての金)の買い材料である。金と銅の両市場では、全建玉、投機筋、価格の推移が強く相関していることがわかる。
  3. このような原油を中心とするエネルギー資源や非鉄金属などの商品先物の価格上昇を背景に、天然資源の豊富な国、いわゆる資源国通貨が増価している(図3)。また、これらの資源国の金利水準が米国より高い点も着目されている。カナダドルは12年7ヶ月ぶりの高値水準、豪ドルも約9ヶ月ぶりの高値水準である。
  4. 為替市場においては米ドルは対主要通貨で全面安となっており(図4)、さらに、アジア各国の株価の上昇(図5)や人民元切り上げ観測(図6)などを背景に、資金は資源国やアジアなどへも流れている可能性が高い。

図1.WTI原油先物
図2.金・銅先物
図3.資源国通貨(対米ドルレート)の推移
図4.アジア通貨・ユーロ(対米ドルレート)の推移
図5.アジア各国の株式指数の推移
図6.人民元の先物価格の推移


担当:参事官(経済財政分析−総括担当)付 
高橋 慶子 直通:03-3581-5854
松見 寛  直通:03-3581-5854 

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。


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