今週の指標 No.576 目次   前へ 次へ 2004年11月1日

「ミニ」化が進む市区町村発注の公共工事

<ポイント>

  1. 10月8日に公表された「平成15年度市町村普通会計決算の概要(速報)」をみると、市町村財政は依然として厳しく、歳出総額が▲0.8%と前年度決算額を下回るなか、投資的経費(特に、普通建設事業費)が前年比▲11.3%と、その減少が特に目立っている(図1)。
  2. また、公共工事請負金額(公共工事前払金保証統計)でも、公共工事の請負金額は、国、地方いずれも減少傾向である(図2)。
  3. 同統計で公共工事発注件数を発注者別でみると、次のような特徴がある(図3、図4)。
    (1)国機関(国、公団など)は、発注件数は減っているが、1件あたりの金額は微減にとどまっている。
    (2)都道府県は、発注件数も1件あたりの金額も減っている。
    (3)市区町村は、発注件数はそれほど減っていないが、1件あたりの金額は大幅に減っている。
  4. 同統計から、この10年間で、市区町村発注工事の1件あたりの工事額が4割ほど(約200万円)減少していることがわかる(図5)。また、市区町村発注の公共工事を請負金額別にみると、市区町村では、1,000万円未満の工事が増加している(図6)。つまり、市区町村は住民の生活に密着しており、きめ細かいニーズに応えるために、発注件数の確保が続いているものの、工事規模の「ミニ」化が進んでいると言える。
  5. 発注者別の受注件数では、市区町村分が全体の45%(15年度)を占めている。今年度、多くの市区町村で公共工事関連の予算をさらに削減しており、今年度後半も市区町村発注工事の件数と請負金額の両面から、公共投資の動向を注目していきたい。

平成15年度市町村普通会計決算の性質別内訳 公共工事請負金額の推移(発注者別)
公共工事発注件数の推移(発注者別) 1件あたり請負金額(発注者別)
市区町村発注1件あたりの請負金額の推移 市区町村発注工事の請負金額別の件数の推移

(備考)
1.図1は、総務省10月8日公表資料「平成15年度市町村普通会計決算の概要」により作成。ただし、9月1日現在の速報値で今後変動する場合がある。また、一部事務組合及び広域連合の決算は含まれていない。
2.図2〜6は、北海道、東日本、西日本三保証株式会社「公共工事前払金保証統計」により作成。ただし、16年度は、9月分までの実績に昨年度(3月まで)の伸び率をかけて当方で算出した。また、「請負金額」「発注件数」は、「公共工事前払金保証統計」上の数値であり、国、公団、地方公共団体その他の公共団体の発注する土木建築に関する工事又は測量等を示しており、公共工事で保証契約が締結されたものとなる。


担当:参事官(経済財政分析−総括担当)付 加倉井 祐介 直通:03-3581-9527

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

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