今週の指標 No.574 目次   前へ 次へ 2004年10月18日

米国の原油先物(WTI)は値動きが拡大傾向

<ポイント>

  1. ニューヨーク商品取引所の原油先物(WTI)価格は、年初来騰勢が強まり、直近では54ドル台/バーレル(10月15日終値ベース)と最高値を更新している(図1)。9月以降は、東京ドバイとの価格差拡大も目立っており、需給要因に加えて、投機的な資金の影響が強まっているのではないかとの見方も出てきている。
  2. そこで、WTI取引の建玉(open interest)を実需筋と投機筋(非実需筋)に分けてみよう。投機筋が占めるシェアは、2003年から2004年にかけてやや上昇して25%程度で推移している(図2)。
  3. WTI原油市場の価格変動(ボラティリティ)をみると、昨年末以降大きくなっており、特に年央以降その傾向が強まっている(図3)。これは、米国の株式市場や国債市場における値動きが縮小傾向にあるのと対照的であり、投機的な資金が原油先物市場にシフトした可能性を示唆している。
  4. 原油市場の規模(取引高)は、株式市場や国債市場に比べて小さく厚みが乏しいため、こうした市場から投機的な資金がシフトした場合には、原油価格へのインパクトが大きく現れる可能性がある(図4)。従って、今後とも、こうした資金の動きが原油価格にどのような影響を及ぼすかを注視していくことが重要である。

図1.原油価格の推移
図2.増加傾向にある投機筋保有の建玉枚数とシェア(WTI)
図3.価格変動(ボラティリティ)の比較
図4.株式・国債市場とWTI(ニューヨーク商品取引所)における一日平均売買代金の比較(2004年1-9月)

担当:参事官(経済財政分析-総括担当)付 高橋 慶子 直通:03-3581-5854

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。


目次   前へ 次へ