今週の指標 No.568 目次   前へ 次へ 2004年9月27日


南関東の景気の現状について

<ポイント>
  1. 地方のヒアリング等では、「中央の景気は回復しても地方はまだである」との声がよく聞かれるが、実際はどうか、検証してみたい。
  2. 今回の景気回復は製造業が牽引しているが、域内総生産に占める製造業の割合を見ると、南関東は全国よりも低くなっており、関東全域でも全国を下回っている(図1)。景気の谷からの鉱工業生産の推移を見ると、関東は全国の増加率を下回っており、東海とは大きく差が開いている(図2)。
  3. 雇用情勢を見ると、失業率は03年以降前年同期の値を下回って推移しており、直近では4.5%まで低下している(図3)。一方、有効求人倍率は全国を上回って上昇しているものの、04年に入って伸びが鈍化している(図4)。
  4. 住宅建設を見ると、南関東の増加が全国の増加に大きく寄与しており、03年10-12月期以降、一時的な減少はあるものの、堅調に推移している(図5)。内訳を見ると、分譲、貸家が増加しており、都心部を中心としたマンション建設が好調であることが要因として挙げられる。また、近年南関東の地価には下げ止まりの傾向が見られ、一部上昇に転じた地域もある(図6)。総じて見ると、生産はやや弱い動きであり、雇用情勢も改善傾向にはあるものの、依然として厳しい状況であることなどから、南関東の景気の回復は緩やかであるといえる。一方で、不動産の動きなど先行きに期待がもてる面もあることから、今後の動きを注視していく必要がある。

図1 域内総生産に占める産業別構成比 図2 鉱工業生産の増加率
図3 完全失業率(原数値) 図4 有効求人倍率 図5 新設住宅着工戸数(前年同期比増減率 地域別寄与度) 図6 東京圏地価の推移(商業地)

(備考)
  1. 図1 内閣府「県民経済計算年報」により作成。東海は岐阜、静岡、愛知、三重の4県、北関東は茨城、栃木、群馬、山梨、長野の5県、南関東は埼玉、千葉、東京、神奈川の4県、関東は北関東と南関東の合計。
  2. 図2 経済産業省、関東経済産業局、中部経済産業局、「鉱工業生産動向」等により作成。都県の指数は各都県独自に作成。なお関東は茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨、長野、静岡の11県、東海は岐阜、愛知、三重の3県。
  3. 図3、4 総務省「労働力調査」、厚生労働省「一般職業紹介状況」により作成。有効求人倍率はセンサス局法による季節調整値。
  4. 図5 国土交通省「建築着工統計」により作成。南関東は埼玉、千葉、東京、神奈川の4県、東海は岐阜、静岡、愛知、三重の4県、近畿は滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山の6県。
  5. 図6 国土交通省「地価公示」(基準日1月1日)により作成。対前年変動率。東京圏は首都圏整備法による既成市街地及び近郊整備地帯を含む市区町村の区域。なお、9月22日に公表された「都道府県地価調査」(基準日7月1日)によると、東京圏の商業地は対前年度変動率△3.9%となり、下げ止まりが一層鮮明となっている。



担当:参事官(地域担当)付 福元 香苗 直通 03-3581-1392

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。




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