今週の指標 No.564 目次   前へ 次へ 2004年9月13日


アメリカ:企業収益は増益率鈍化も高水準、設備投資は堅調に推移

<ポイント>
  1.  8月27日に発表された国民所得生産勘定(NIPA)ベースの2004年4〜6月期の企業収益は、前期比0.1%増と増益率が鈍化した(図1)。ただしこれは、4月以降のドル増価により海外部門の収益が同11.4%減となった影響が大きく、国内産業部門は同2.6%増だった。また、前年同期比で見れば18.3%増と、依然高い伸びを示している。
  2.  これまで企業収益の大幅な増加を達成することができた背景には、労働コストが抑えられてきたことが挙げられる。最近の増益率鈍化の要因は、これまで価格上昇に対してマイナスの寄与であった単位労働コストが2004年に入ってプラスに転じたことが大きく、単位非労働コストの寄与は小さいものとなっている(図2)。今後も雇用回復に伴い単位労働コストの上昇が見込まれるなかでは、企業のマージン率(付加価値に対する企業収益の割合)も増勢は緩やかになると考えられる(図3)。
  3.  しかし、増益率は緩やかになっているものの企業収益自体は高水準を維持しており、キャッシュフローも、設備投資額を上回る状態が続いている(図4)。従って増益率が緩やかになったとしても、これが直接設備投資の抑制をもたらすとは考えにくく、設備投資は引き続き増加が見込まれる。


図1 企業収益の推移  図2 非金融部門実質付加価値一単位あたり価格上昇率の要因分解

図3 付加価値に対する企業収益の割合(マージン率)の推移  図4 キャッシュフローと設備投資


担当:参事官(海外担当)付 和田 祐輝  直通03-3581-9536 

* 本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

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