今週の指標 No.562 目次   前へ 次へ 2004年9月6日

中国の鉄鋼生産拡大を背景に原材料の鉄鉱石価格が急騰

<ポイント>

  1. ここ数ヶ月、鉄鋼製品の原材料である鉄鉱石の日本の輸入価格が高騰している(図1)。
  2. 鉄鉱石価格高騰の背景には中国の鉄鉱石需要の増加がある。中国の粗鋼生産は、増加を続け10年で約2倍になっており(図2)、鉄鉱石需要は高まっている。また、景気拡大を背景に、近年更に増加しており、それに伴い原材料の鉄鉱石輸入量も増加しており(図3)、日本、EUとの輸入シェア差も縮まっている(図4)。このことが国際市場で需給を逼迫させ、価格を押し上げている要因となっていると考えられる。鉄鉱石の中国の国内生産は大きく変化していない一方、輸入量は増加を続けており、輸入品の割合は年々高まっている(図5)。これは供給が国内生産では追いつかない状況にあることを示している。
  3. このようなコスト上昇圧力下にもかかわらず、日本国内の鉄鋼製品の交易条件は改善しているが(図6)、国内鉄鋼メーカーは高付加価値化に取り組むとともに、生産性向上により、収益を確保していくことが重要である。
     

図1鉄鉱石輸入物価指数(契約通貨ベース)、図2中国粗鋼生産量と世界シェア、図3最近の中国の粗鋼生産量と鉄鉱石輸入量、図4鉄鉱石輸入に占める中国のシェア
図5中国の鉄鉱石の国内生産と輸入量、図6鉄鋼の交易条件


(備考)
1.日本銀行「輸入物価指数(契約通貨ベース)」、「製造業総合部門・大部門別投入・産出物価指数および交易条件指数」、中国統計局「China Monthly Economic Indicators」、中国税関「China’s Customs Statistics」、IISI”Steel Statistical Yearbook 2003”、により作成。
2.図2の四半期は各月の原数値を合計して作成。図5のEUは15ヶ国ベース。

担当:参事官(経済財政分析担当)付 中野 貴比呂 直通:03-3581-9527

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

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