今週の指標 No.558 目次   前へ 次へ 2004年8月23日

緩やかに増加する個人消費


<ポイント>
  1.  個人消費は緩やかに増加している。先ごろ公表された2004年4-6月期のGDP速報をみると、民間最終消費支出は季節調整済前期比で0.6%増と、前期までの伸びが大きかったこともあって伸び率はやや鈍化したものの、5期連続の増加を続けている(図1)。
  2.  個人消費が緩やかな増加を続けている背景には、実質雇用者所得が底堅く推移するなかで、失業率の低下など雇用情勢の改善によって消費者マインドが回復していることがあげられる(図2)。それでは、消費の実体面では、今回の局面においてどのような特徴がみられているだろうか。

  3. (1)まず、需要側の統計として家計調査をみると、財よりもサービス、基礎的支出(米や野菜など消費総額の変動に関わらず一定的に支出されるもの)よりも選択的支出(英会話教室やパソコンなど消費者の嗜好にあわせて選択的に支出されるもの)が堅調に推移しているといった特徴が挙げられる。具体的には、外食や旅行などが堅調であるほか、財のなかでもデジタル家電など新規需要の掘り起こしに成功した商品は、消費者の支持を得て好調に推移している(図3、4)。
    (2)次に、供給側の統計をみると、例えば百貨店販売額は趨勢的に下落傾向が続いており、こうした動きが一部にみられるような「消費回復の実感がない」といった指摘にも現れていると考えられる。他方、コンビニエンスストアや通信販売の市場規模は年々拡大しており、こうした業態では足元でも増加を続けている。このように、財の販売については、消費行動の多様化にともなって構造的な変化が生じつつある様子がうかがえる。また、サービス関連については、外食等は堅調に推移しており、需要側の統計に符合した動きが確認できる(図5、6)。
  4. 7月の東京・大阪地区の百貨店売上高をみると、夏物商材に動きがみられたものの、初秋ものなどが苦戦し、現時点で猛暑の影響が全体を大きく押し上げるといった効果は確認できていない。個人消費の先行きについては、引き続き猛暑やオリンピックの影響、またその後の反動、更には10月以降の年金保険料引き上げといった点に留意は必要であるが、鍵となるのは所得の動向である。雇用情勢が引き続き改善している現状を鑑みれば、今後、所得が改善し、個人消費が着実に増加していくことが期待される(図7)。

(図1)増加が続く民間最終消費支出(図2)雇用の改善がマインドを押上げ
(図3)サービスが好調(図4)選択的支出が好調
(図5)拡大するコンビニ、通信販売市場(図6)外食の動向
(図7)雇用者所得の動向
(備考)
 

担当:参事官(経済財政分析−総括担当)付  大熊浩 直通 03-3581-9516

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

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