今週の指標 No.555 目次   前へ 次へ 2004年8月16日

6月のボーナス支給状況とその要因分解
−中小企業賞与減、パート比率上昇、公務員賞与減がマイナス要因−

<ポイント>

  1. 各機関による夏季ボーナスの調査結果をみると(図表1)、対象が大企業中心の調査では前年比で増加(3〜5%)の見込みとなっている。一方で、中小企業も多く含まれる毎月勤労統計(特別給与)や家計調査(勤労者世帯主賞与)では、6月は5%程度の減少となった。ここでは、初期段階である6月の毎月勤労統計の特別給与(*)を要因分解することで、今夏のボーナスの動向を探りたい。
    *6-8月の夏のボーナス支給事業所割合は全事業所の約7割で、6月の支給事業所割合は全事業所の約2割。

  2. まず、毎月勤労統計の特別給与を事業所規模別にみると(図表2)、500人以上事業所のみ前年比で増加しているが、500人未満の事業所は前年比で6-8%程度減少しており、中小企業では厳しい状況が続いていることがわかる。

  3. つぎに、特別給与の前年比(-4.7%)について、一般労働者とパート労働者の特別給与、パート労働者比率に要因分解してみると(図表3)、最も大きくマイナスに寄与したのが、一般労働者の特別給与の減少(寄与度-2.5%)で、次に、特別給与額自体が少ないパート労働者の比率上昇(-2.0%)が寄与した。
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  5. また、この一般労働者の特別給与の減少の背景には、公務員のボーナス減が影響している。公務員の夏のボーナスは、昨年の人事院勧告を受け、昨夏比で0.15ヶ月減の2.1ヶ月分となった。公務員の賞与は基本的に6月に支給されているため、一部の公務員を含む(*)毎月勤労統計の結果にはこの影響が表れる。この公務員のマイナス寄与度を試算すると(図表4)、-1.1%程度という結果が得られた。
    *毎月勤労統計には、日本標準産業分類の「公務」に含まれない公務員(公立学校職員、社会福祉施設職員、郵便局職員等)が含まれる。
    *家計調査で同様の試算をすると、-5.1%程度の寄与度があったという結果が得られた。家計調査には全ての公務員が対象となるため、毎月勤労統計よりもマイナス寄与度が大きい。
    *試算結果は、いくつかの前提に基づいているため、幅を持って解釈する必要がある。

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  7. 毎月勤労統計の7月・8月は、公務員賞与減の影響が剥落するため、6月(前年比-4.7%)に比べてマイナスの影響は少なくなる。一方で、パート比率の上昇や中小企業の一般労働者のボーナス減などは減少要因として残る。定期給与が横ばいで推移する中で、ボーナスの動向が消費に影響を及ぼす要素となろう。7月・8月の特別給与の結果を注視していきたい。    


図表1.主要機関による夏季ボーナス調査(前年比)

図表2.事業所規模別の特別給与(前年比、04年6月)

図表3.特別給与前年比の要因分解(04年6月)

図表4.公務員賞与減の寄与


担当:参事官(経済財政分析−総括担当)付 青木 紀和 直通 03-3581-9516 

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。



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