今週の指標 No.552 目次   前へ 次へ 2004年8月2日

効率性重視に変化した企業経営
−外国人持株比率上昇の背景−

<ポイント>

  1. 全国上場会社の外国人持株比率は趨勢的に上昇傾向にあり、2003年度は21.8%と過去最高を更新した(図1)。この背景の一つとして、銀行との株式持合解消が進む中で企業が市場から信認を得るために、効率性やスピード経営を重視してきたことがあり、外国人投資家がそうした企業を中心に投資を行ってきたと考えられる。
  2. そこで、今回の景気回復局面における外国人持株比率の高い企業の経営パフォーマンスを確認すると、以下のことが分かる(図2)。(1)売上高は2001年度に大きく減少した後、企業全体よりも早く減少幅が縮小し、2003年度は企業全体が引き続き減収であるのと対照的に増収に転じている。(2)経常利益については2001年度に大きく減少した分増加幅も大きく、企業全体に比べV字回復が明らかである。(3)従業員数についても、2001年度に大きく減少させた後、2003年度にはプラスに転じた。一方、企業全体では減少が1年遅れており、2003年度も引続き前年比マイナスにとどまっている。これらは、ITバブルの崩壊後、従業員を含め不採算部門などの大胆なリストラをより積極的に実施したことが、以後の売上・経常利益・従業員の相対的な増加に結びついたものと考えられる。
  3. また株価が底を打った昨年4月以来の株価の推移をみてみると、外国人持株比率の高い企業の平均株価がTOPIX(東証株価指数)を上回っており、市場も当該企業の積極的な経営を評価しているとみられる(図3)。
  4. 以上より、外国人持株比率の上昇は、日本の企業経営の変化が前向きに評価されていることを反映したものであり、外国人投資家の観点からすると、日本企業は引き続き効率性の重視が求められているといえる。
     

図1 投資部門別株式保有比率の推移
図2 外国人持株比率の高い企業の経営指標
図3 株価の比較


担当:参事官(経済財政分析担当)付 松見 寛 直通:03-3581-5854

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

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