今週の指標 No.547 目次   前へ 次へ 2004年7月12日

現在の長期金利の上昇は景気を冷やすか

<ポイント>

  1. 本年5月中旬以降、長期金利(10年物国債)は上昇し、約3年半ぶりに1.8%台で推移している(図1)。長期金利の上昇は、回復局面にある景気を冷やすのではないかとの懸念もみられる。
  2. こうした長期金利の水準自体は、前回の景気回復期の平均1.8%とほぼ同じ水準である。そこで、今回の金利上昇が景気の実勢に見合ったものであるかどうかを検証する。具体的には、景気動向を示す代理変数として株価(日経平均株価)を用い、1997年以降の長期金利と景気の相関係数を求めた。長期金利の上昇が株価動向に示される経済の実勢に見合っている場合には、高い正の相関係数が得られるものと考えられる。
  3. その結果、0.8前後と高い相関係数を得られたことから、今回の金利上昇は、株価との関係からみて、景気回復に見合ったものであると考えることができる(図2)。こうした観点からみれば、景気を冷やすとの懸念はやや過剰な反応と言えよう。
    ちなみに、1999年後半から2000年前半の相関関係は弱い。これは、ITバブルの下で株価が大きく上昇する一方、金利はゼロ金利政策の長期化観測等を背景に安定して推移したためと考えられる。
    また、2001年後半から2002年前半にかけては、負の相関がみられる。これは、2001年9月の米国同時多発テロによる地政学リスクの高まりから、株価が大きく下落したこと等が影響していると考えられる。

(図1)長期金利と株価の推移、(図2)長期金利と株価の相関係数


参事官(経済財政分析担当)付 吉田香子 直通:03-3581-5854

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

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