今週の指標 No.541 目次   前へ 次へ 2004年6月21日


オーストラリア:住宅ブームに変化の兆し

<ポイント>
  1.  90年代後半から続いていたオーストラリアの住宅ブームに変化の兆しがみえてきた。オーストラリアの住宅価格はここ数年急騰しており、2003年は2000年の約1.5倍の水準にまで達した(図1)。しかしABS(オーストラリア政府統計局)が公表した2004年1〜3月期の住宅価格については前期比2.5%増(2003年10〜12月期は同6.0%)と伸びが鈍化しており、また、実勢価格の動向を示すものとして速報性があるとされる民間機関の調査においても、一戸建て住宅価格の国内平均が同8.4%減となるなど大幅な下落がみられる(表1)。
  2.  オーストラリアの住宅市場は、2001年からの低金利や2000年7月に政府が住宅購入者に対して補助制度を開始したことより過熱感が高まった。過熱抑制措置としてRBA(オーストラリア連邦準備銀行)は2003年11月、12月と2か月連続で政策金利を引き上げた。
  3.  RBAは今後の住宅市場について、住宅需要は依然堅調と見込まれることから緩やかに減速するものとみている。一方、良好な雇用環境により所得は増加し(図2)、昨年末の政策金利の上昇はわずか0.5%ポイントであったにも係わらず、住宅ローンは2003年10月のピーク時から2004年4月には約15%と大幅に減少するという現象が生じている(図3)。住宅市場の減速が消費に及ぼす影響は大きいことから、住宅価格の動向については今後とも注視が必要である。


図1 上昇を続ける住宅価格  表1 民間機関(APM)による住宅価格の動向

図2 失業率と週給賃金の推移  図3 住宅ローンと金利の推移


担当:参事官(海外担当)付 齊藤 郁美 直通03-3581-9537 

* 本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

目次   前へ 次へ