今週の指標 No.538 目次   前へ 次へ 2004年6月14日

高まる兆しのある家計のリスク資産保有

<ポイント>

  1. 我が国の家計が保有する金融資産の残高は、2003年末時点で1,410兆円に上る。そのうち6割は価格変動リスク(元本割れリスク)が無い預貯金で占められており、株・債券・投資信託など価格変動リスクがある"リスク資産"での運用は約1割にとどまっている(図1)。
  2. 例えば、株式の保有比率は、1980年代末のバブル期や1999〜2000年のITバブル期には、株価上昇の影響もあって上昇したが、それを除けば横ばいで推移している(図2)。     
  3. これは、家計がリスク回避的で、リスク資産での運用に慎重なためである。先進各国と比べても、我が国ではリスク資産での運用比率が低下していることが目立つ(図3)。     
  4. もっとも、最近は、こうした傾向にも変化の兆しがみられ、個人投資家による株の取引シェアは上昇し、為替リスクがある外貨預金での運用も増加し始めている(図4)(図5)
  5. これは、インターネット取引の普及や個人投資家向けの証券税制の改正などによって、株の売買が手軽になったことや、90年代以降、金融自由化が進んだ結果、外貨預金による運用が身近になったことなどによるものである。今後は、こうした動きが続いて、リスク資産運用に対する慎重姿勢が徐々に積極化していく可能性がある。    

図1:家計の金融資産の動向 図2:家計金融資産に占めるリスク資産の割合 図3:家計金融資産のポートフォリオ各国比較(1)日本(2)アメリカ(3)ドイツ(4)イギリス 図4:個人の株式売買シェア 図5:家計の外貨預金残高の推移


担当:参事官(経済財政分析−総括担当)付 林 厚志 直通 03-3581-5854

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。

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