今週の指標 No.536 目次   前へ 次へ 2004年6月7日


川上(素材価格)から川下(消費者物価)への波及について


<ポイント>
  1. 原油や鉄鋼など内外の商品市況が上昇し、国内企業物価がわずかながら上昇している中で、消費者物価は依然、前年比で小幅な下落が続き、素材価格上昇の波及は見られない。(図1)
  2. そこで、今回の素材価格の上昇が消費者物価へ波及するかどうかを判断する上で、過去の素材価格が上昇している局面を調べてみると、
    (1)オイルショックや湾岸危機により素材価格が上昇した際には、ほぼ同時に消費者物価も上昇しているが(図2、3、4)、
    (2)1990年代は素材価格の上昇が消費者物価にあまり波及していない(図5、6)。
  3. この背景には、90年代以降、内外企業による価格競争の激化や消費者の価格選別の目が厳しくなり、末端価格への転嫁が難しくなってきたことがある。
  4. 経済産業省のアンケート(原材料等の価格上昇に係る影響調査と当面の対応について)によると、川上の素材業種と比較して消費者に近い川下の業種では価格転嫁が進んでいないことが確認できる。
  5. 今後、素材価格の上昇が消費者物価へ波及するか否かは、着実な景気回復の中で企業の価格行動がどのように変わっていくのかにかかっている。
図1.今回(2002年第1四半期を基点) 図2.1972年第1四半期を基点
図3.1978年第3四半期を基点図4.1988年第4四半期を基点
図5.1995年第2四半期を基点図6.1999年第1四半期を基点
     (備考)1.総務省「消費者物価指数」、日本銀行「国内企業物価」により作成。



担当:参事官(景気判断・政策分析総括担当)付 岡崎 敏彦  直通 03-3581-9516

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。


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