今週の指標 No.530 目次   前へ 次へ 2004年5月24日


過去最大となった経常収支黒字


<ポイント>
  1. 日本の2003年度の経常収支黒字は、前年度比で29%増加し過去最大の17兆2,667億円となった。経常収支黒字の主な内訳は貿易収支が13兆2,779億円の黒字、所得収支が8兆4,904億円の黒字、サービス収支が3兆7,072億円の赤字であった(図1)。
  2. 経常収支の伸びに対する貿易収支、所得収支、サービス収支、経常移転それぞれの寄与度をみると、貿易収支黒字の増加とサービス収支赤字の減少の寄与が大きい(図2)。
  3. 貿易・サービス収支黒字は、実質実効為替レートと米国経済に代表される海外経済動向と強い相関をもって増減を繰り返してきた(図3、図4)。2001年後半からの貿易・サービス収支黒字の増加には、2000年から2002年にかけての実質実効為替レートの減価とともに米国・中国を中心とする好調な海外経済とが大きな働きをしたと考えられる。
  4. また、図1から所得収支黒字が堅調に伸びていることがわかる。所得収支黒字の大部分は、海外資産からの収益により生み出される。所得収支黒字の堅調な伸びの背景には、これまでの経常収支黒字によって海外純資産が積みあがってきたことがある。(図5)
  5. 02年から実質実効レートはさほど増価しておらず、また世界の景気は回復しているため、貿易・サービス収支黒字が大きく減少するとは考えにくい。そして海外純資産が積みあがっていることから所得収支黒字は引き続き増加基調と考えられる。したがって、今後も経常収支黒字は高水準で推移する可能性が高いだろう。



図1:経常収支黒字の推移 図2:経常収支変化の寄与度分析
図3:貿易・サービス収支(対名目GDP比)と実質実効為替レートの推移 図4:貿易・サービス収支黒字(対名目GDP比)と米国実質GDP成長率の推移 図5:対外純資産の推移


担当:参事官(経済財政分析−総括担当)付 阿部 健児 直通 03-3581-5854 

本レポートの内容や意見は執筆者個人のものであり、内閣府の見解を示すものではない。


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