今週の指標 No.523 目次   前へ 次へ 2004年4月26日


デフレの要因とその現状について
〜GDPギャップは縮小・マネーサプライの伸びは低水準〜


  1.  デフレの要因は、(1)景気低迷による需要面の要因、(2)アジア諸国の急激な工業化等による供給面の要因、(3)デフレは貨幣的現象という金融的要因の3つに整理される。
  2.  このうち、需要面及び供給面の要因については、以下のような変化が見られる。
    (1)需要面:景気が着実に回復する中で、足元のGDPギャップも縮小している(図1)。
    (2)供給面:素材価格の上昇等により、03年11月以降、輸入物価が、円ベースでは前年同月比のマイナス幅が縮小するとともに、前月比で上昇している(図2)。
  3.  金融的要因について見ると、マネタリーベース(MB)とマネーサプライ(MS)の関係は、90年代前半までは、安定的に推移していたが、90年代後半からはそうした関係が見られなくなってきており(図3)、貨幣乗数は、90年代後半以降、低下傾向を示している(図4)。MBとMSの関係が不安定化した要因については、(1)企業が過剰債務の調整を優先し、ネットの資金需要が増加しないこと、(2)銀行が不良債権処理の過程で新規貸出に慎重であることが関係しているとされている。
     こうしたことから、03年度のMBは、前年度比16.7%となった一方、MSは、前年度比1.7%に止まっており、93年度(1.5%)以来の低い伸びになった。


(図1)GDPギャップの推移

(図2)企業物価の推移
(図2)企業物価の推移

(図3)マネー及び名目GDPの推移

(図4)貨幣乗数及び流通速度


担当:企画・経済対策担当参事官付 政策企画専門職 佐藤 正弘

(直通 03-3581-0947)


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