今週の指標 No.522 目次   前へ 次へ 2004年4月26日


EU拡大:人口4億5千万人の巨大統合経済圏の誕生


<ポイント>
  1.  5月1日、EU(欧州連合)は中・東欧諸国など10か国を新規に加え、現在の15か国から25か国へ拡大する。これまでのEUの統合史上、新規に加盟する国の数、地理的広がり、人口規模ではいずれも過去最大の規模である。ただし、新規加盟国の経済規模は小さいため(図1)、EU全体のGDPは約5%増加するだけとなる(図2)。
  2.  EU拡大の経済効果は現加盟国より新規加盟国のほうが大きいと指摘されている。オーストリア経済研究所では2005〜2006年の期間で、中欧3国では累計でGDP成長率が4〜7%押し上げられるのに対し、現加盟国では0.4%程度と試算している(表3)。
  3.  今回の拡大は、現加盟国とは経済的な発展段階の異なる国家が参加することが注目される。中・東欧諸国は市場経済への移行過程で金融改革・経済改革を断行し、順調な経済発展を遂げてきた。EU加盟のための経済基準を達成すべく、法制度の整備を進めるなど市場環境を整えつつある。教育・技術水準が高いことも特長の一つである。これらの結果、成長率でみると新規加盟国は現加盟国を大きく上回っている。
  4.  新規加盟国は所得水準が低い国ほど総じて成長率は高く(図4)、安定的なキャッチアップが見込まれ、市場としての潜在力は大きい。成熟段階にある現加盟国側からみれば、これらの勢いのある地域を同一市場に取り込むことは、競争力の強化を促し、構造改革の進展に積極的に取組むインセンティブとなる面も期待できる。


図1 一人当たりGDP(2002年)  図2 新規加盟国のウェイト

図3 EU拡大の経済効果  図4 2003〜05年の経済成長


担当:参事官(海外担当)付 両角 機恵子 直通03-3581-0056 

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