今週の指標 No.518 目次   前へ 次へ 2004年4月12日


韓国:景気は回復しているものの、消費動向には留意が必要

<ポイント>
  1.  韓国は、2003年前半に景気後退を示した後、2003年第3四半期以降、輸出の大幅な伸びを背景に景気は回復している(図1)。輸出の中で伸びが顕著なのは、品目別に見ると、半導体・電子機器などを中心としたIT関連機器や自動車である。地域別に見ると中国向けの伸びが大きい(図2)。しかし、民間消費は未だに低迷から脱しておらず(図3)、韓国経済は内需の不振を外需でカバーするという状況が続いている。
  2.  民間消費低迷の原因は、99年に導入されたクレジットカードの利用優遇策(所得控除制度等)を推進した結果、過剰な消費におちいる利用者があらわれ、信用不良者(注)が急増したことにあり、その数は約400万人(全国民の約8.5%)に達した。さらに、信用不良者の増大により金融機関は審査を厳格化していることや、若年失業率が増加傾向にあることも、消費者マインド改善の遅れの一因となっている(図4)。
  3.  政府は多重債務者の救済を骨子とした「信用不良者総合対策」を3月に打ち出した。さらに3月より乗用車、エアコン、テレビなどの特別消費税の引き下げを実施するなどの消費対策を講じている。今年の成長率を、政府・中央銀行をはじめ多くの民間機関で5%前後としているところが多いが、今後の消費動向には留意が必要である。

    (注)信用不良者とは、金融機関・国税局等に対する支払いの延滞により金融取引に制約を受ける者を指す。


図1 実質GDPの推移  図2 輸出の推移

図3 卸・小売販売額と消費者期待指数の推移  図4 失業率の推移


担当:参事官(海外担当)付 潮田 哲男 直通03-3581-9537 


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