今週の指標 No.506 目次   前へ 次へ 2004年3月15日


下落に転じた米相場

<ポイント>
  1. 1993年以来10年ぶりの不作となった2003年産米は、昨秋以降、物価を押上げる要因となってきたが、米消費が伸び悩むなかで、足元変調の兆しがみられている。
  2. まず、卸売段階の流通をみると、2003年産自主流通米の入札は、上場以来、卸売業者の旺盛な買い意欲を反映して、購入申込数量倍率、落札価格とも高位で推移してきた。しかし、米消費が低迷する近年の傾向に目立った変化はなく、卸売業者の在庫水準は平年のおよそ2倍にまで膨れ上がったうえ、小売段階への価格転嫁もままならなかったことから、年明け以降、落札価格は下落に転じた。2月の入札では、依然として前年より高い水準にはあるものの、前回比▲10%の下落となっている(図1〜4)。
  3. 次に、小売価格の動きをみると、こうした動きが一部に波及し始めていることがわかる。価格転嫁が十分とは言えない現状では、小売価格が即座に大きく下落するとは考えにくいが、卸値の下落が持続すれば、消費者物価全体に対する「米類」の押上げ圧力も徐々に剥落していくものと考えられる(図5〜6)。
  4. 1993年の米不作は、急激な米価格の上昇を招き、タイなどからの緊急輸入米に対する消費者の不人気とも相俟って、その後の米離れを加速させる転機になったとも言われている。現時点で、今後の米消費動向を見通すことは容易でないが、価格が需給に見合った水準に定着することができれば、米消費に大きな影響はないものと期待される(図7)。



図1 2003年産自主流通米入札の推移図2 米の消費支出は伸び悩み
図3 卸売業者の在庫は平年の約2倍に図4 思うに任せぬ価格転嫁
図5 足元で価格低下がみられる小売価格
図6 消費者物価の押上げ効果は、徐々に剥落していく可能性図7 低迷の続く米消費
備考


担当:参事官(経済財政分析-総括担当)付 大熊 浩 直通 03-3581-9516 


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