<ポイント>
- 対米ドル円レートは、2002年2月以降、円高傾向で推移し、2004年2月には一時約3年4ヶ月ぶりの水準である105円台となった(図1)。その一方で対ユーロ円レートは、2001年以降、円安傾向で推移してきた。
- 特定の2通貨間の為替レートだけでは為替レート面での対外競争力の変化は分からない。そこで内外物価の差を考慮するとともに、円と主要な他通貨間のそれぞれの為替レートを、日本と当該相手国・地域間の貿易ウエイトで加重平均することにより算出される実質実効為替レートの動きを見る。実質実効為替レートは、1999年から2001年末までは対米ドル円レートとほぼ同じように動いていたが、2002年入り後は乖離が見られ、対米ドル円レートほどには円高となっていない(図1)。2002年入り後、対米ドル円レートと実質実効レートの乖離幅は16%ポイントにもなっている(図2)。
- 対米ドル円レートと実質実効レートが乖離した背景には、対ユーロ、対イギリスポンド、対オーストラリアドルで円安となったこと(表1)、日本の物価下落が他国より大きいこと(図3)が考えられる。
- 物価動向、米ドル以外の通貨との為替レートの動きを考慮すると、対米ドル円レートの動きから受ける印象ほど、日本の為替レート面での対外競争力が低下しているわけではないと考えられる。実際に簡単な輸出関数を推計してみると、今回の円高の輸出抑制効果は米国経済成長の輸出促進効果を大きく下回った。(表3)
|