今週の指標 No.500 目次   前へ 次へ 2004年2月23日


中小企業の景況感:製造業では改善も、非製造業は改善に遅れ。
〜 大企業と中小企業の業況判断DIの格差 〜


<ポイント>
  1. 景気の回復に伴い企業の景況感は改善が続いている。一方で、景況感の回復は、大企業製造業など一部に限られており、大企業と中小企業の格差が拡大している、という指摘もある。そこで、企業規模による景況感の格差の現状とその要因について分析を行った。
  2. 製造業では大企業と中小企業の景況感の格差の拡大はバブル期を除いて、景気回復期に見られる現象である(図1)。中小企業の改善は、大企業を常に下回っている。
  3. そこで、こうしたDIの振幅の差を調整することにより標準化したDIを比較した。製造業については、大企業と中小企業でDIの変動の分布に特に違いはみられない。一方、非製造業については、中小企業の分布に長期的にみた下方トレンドがみられる(図2)。
  4. 非製造業におけるこのような違いは、例えば中小企業の方が大企業に比べ過剰債務の削減が遅れていること等が考えられる(図4)。また、中小企業の景況感の「絶対水準」が低いことも、景況感の格差の背景にある要因と考えられる。中小企業の景況感も改善の動きがみられるが、これは主として現状を「悪い」と答えた企業の割合が減少してきたことによるものである。現状を「良い」と答えた企業の割合は、大企業を下回り中小企業では1割弱に過ぎない(図3)。


(図1)業況判断DIの推移
製造業非製造業

(図2)標準化された業況判断DIの推移
製造業・非製造業
備考
(図3)業況判断で「良い」と回答した企業の割合(図4)有利子負債残高判断DI


備考)有利子負債残高の先行きの増減についての判断。低い方が、先行き減少を見込む比率が高い。
   点線は、公表値。実線、太線は、4期移動平均。
出典)日本銀行、「短観」(15年12月調査)より作成。





担当:参事官(経済財政分析−総括担当)付 鈴木 英介:直通 03-3581-0806


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