今週の指標 No.490 目次   前へ 次へ 2004年1月13日


BSEの発生とその影響について

<ポイント>
  1. 米国でBSE(牛海綿状脳症)感染牛の発生が確認されたことにともない、12月24日以降、わが国では米国産牛肉等の輸入停止措置を講じている。米国産牛肉は、わが国が輸入する牛肉のおよそ半分を占め(図1)、消費量全体に占める割合もおよそ3割にのぼることから、肉類の消費や価格に与える影響が懸念される。
  2. ここでは、2001年9月に国内で初のBSE感染牛が確認された際の消費・物価動向を振り返ることにより、今後の影響を見通すうえでの参考としたい。
    (1)まず、個人消費の動向をみると、牛肉消費は発生直後から国内牛のみならず輸入牛肉も含めて急減したあと徐々に回復し、ほぼ1年後には、その余波を脱したと考えられる。他方、豚肉・鶏肉は、牛肉の代替財として需要が増加したが、その後反動で減少している(図2)。
    (2)次に、物価の動向をみると、国内企業物価、消費者物価とも牛肉価格の急激な下落と、代替需要の高まりに応じた豚肉・鶏肉価格の上昇があった後、2002年冬以降反動が見られている。もっとも、その動きは、消費者物価の方が振れ幅はかなり小さい。物価全体に対する肉類合計の寄与度でみると、国内企業物価では、ほぼ牛肉の変動につられる形で下落とその反動の寄与があったのに対し、消費者物価では、牛肉の下落を豚肉・鶏肉の上昇が相殺したため、発生後1年間(01年9月〜02年8月)の平均でおよそ+0.01%程度と、限定的な上昇となっている(図3、図4)。
  3. 足元の市況をみると、豚肉・鶏肉の上昇のみならず、一部の牛肉でも上昇がみられ(図5)、2001年秋の状況とはやや異なる出足となっている。BSEに対する消費者の認識は高まっており、当時よりも平静な対応が期待されるが、いずれにしても早期に懸念を払拭することが必要である。


図1 輸入牛肉の国別シェア図2 2001年発生時の実質消費支出の推移
図3 2001年発生時の国内企業物価の推移図4 2001年発生時の消費者物価の推移
図5 最近の食肉市況の動向
注)


担当:参事官(経済財政分析-総括担当)付 大熊 浩 直通 03-3581-9516 


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