今週の指標 No.484 目次   前へ 次へ 2003年12月15日


高止まりする求職意欲喪失者

<ポイント>
  1. 失業率は年初に5.5%を記録して以来、低下傾向にある。失業者は減少しているものの、就業者・雇用者の増加につながっていないため、「就業率」(就業者数/15歳以上人口)が捗々しく改善しておらず、失業者の低下を、直ちに前向きに評価することはできない(図1)。
  2. 新規求人は増加傾向にあり、雇用情勢は改善しつつある。しかし、新規求人と雇用者数の関係をみてみると、前回の景気回復局面では、新規求人が増加傾向に転じてから、3四半期のラグをおいて雇用者数が増加に転じたが、今回の回復局面では、新規求人が2002年前半に増加に転じたにもかかわらず、雇用者数はいまだに明確な増加を示していない(図2)。
  3. 就業もしていないし、諸般の事情で求職活動もしていない(従って、「失業者」にもカウントされない)人々のうち、「適当な仕事さえあればすぐ仕事に就ける」人々(=「求職意欲喪失者」と言う)の数をみると、減少の兆しを見せていたが、2002年第4四半期以降高止まりしている(図3)。これを加味して失業率を計算し直してみると、改善のテンポは緩やかなものに止まっていることが分かる(図4)。
  4. 「求職意欲喪失」理由の7割は、地理、能力、勤務時間などであり、こうした"雇用のミスマッチ"の問題も改善に取組んでいく必要がある。


図1 失業率と就業率の推移図2 求人と雇用者数の推移
図3 求職意欲喪失者の推移失業率の前年差

      (備考)1.総務省「労働力調査」厚生労働省「職業安定業務統計」により作成。


担当:参事官(経済財政分析−総括担当)付 菅田 宏樹 直通:03-3581-9516


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