今週の指標 No.480 目次   前へ 次へ 2003年11月25日


シンガポール:バイオ産業に期待される成長の牽引役

<ポイント>
  1. シンガポールの2003年第3四半期の実質GDP成長率(確定値)は、前年同期比1.7%の増加となった(前期比年率では17.3%の大幅増)(図1)。今期の経済成長は半導体やディスクドライブなどのエレクトロニクス製品及び医薬品の輸出を中心とした外需が牽引役となっており、好調な外需を支えに製造業生産が回復している。このように輸出に主導され、景気に持ち直しの動きが見られる。これを受けて、政府は2003年の経済成長率見通しを0―1%から0.5―1.0%へわずかに上方修正した。
  2. 最近の輸出動向の特徴は、(1)中国向け輸出がエレクトロニクス製品を中心に高い伸びを続けていること(図2)、(2)医薬品が、EUやアメリカ向けを中心に増加しており、10月は前年同月比73.0%増と前月の144.1%増からは鈍化したが大幅な増加傾向にあることである(図3)。
  3. 近年、シンガポールではポストITとして、製薬、医療機器、バイオテクノロジーなどのバイオメディカル産業の振興に力をいれており、世界的なバイオメディカル企業の誘致に積極的である。この結果バイオメディカル産業の生産は力強く増加している(図4)。2002年の製造業の付加価値生産額でみたバイオ部門のウェイトも17.9%(2000年:12.6%)とエレクトロニクス部門の32.3%(同47.8%)に次いでいる。アメリカの医薬品メーカー大手の現地法人が、新たに高脂血症薬(抗コレステロール剤)を世界市場での販売を目指して年末には生産を開始するなど、バイオ部門の輸出・生産が今後も増加すると見込まれる。 


図1:実質GDP成長率  図2:輸出金額の推移  図3:品目別輸出の推移  図4:製造業生産の推移

担当:参事官(海外経済担当)付 中山 勝則 直通03-3581-9537 


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