今週の指標 No.476 目次   前へ 次へ 2003年11月4日


米国株価の調整は終了か


<ポイント>
  1. 米国の株価指数S&P500は2000年に1500ポイント台前半でピークを打った後、約2年間にわたって低下してきたが、2003年に入り上昇基調にある(図1)。Irrational Exuberance(根拠無き熱狂)とも呼ばれた米国株価の調整は終了したとみてよいのだろうか。
  2. 米国株価がファンダメンタルズに沿ったものかどうかを判定するために用いられた、長期PERとその後10年間の長期株価変化率の関係から米国株価の長期的な見通しを考えることにした。ここで長期PERとは、ある年の実質株価(物価変動調整後の株価)を過去10年の実質収益(物価変動調整後の収益)の平均で除したものであり、長期株価変化率とは、その年の株価から10年後の株価への変化率を年率で表したものである。長期PERが長期株価変化率と負の相関を持つことは統計的に確認できた(表1)。
  3. 次に、この関係に基づき2000年1月の長期PERから10年後(2010年)までの長期株価変化率を推計すると-10%となる。他方、2003年1月の長期PERから推計される10年後(2013年)までの長期株価変化率は0%を超えた。以上の推計結果は幅をもって解釈されるべきものであるが、2000年からの米国株価の調整は終了したと考えられる。
  4. なお、長期PERと長期株価変化率との関係に構造的な変化が生じる場合には以上の推計が成立しなくなることには留意が必要である。


図1:S&P500の推移 図2:長期PERと長期株価変化率との関係

担当:参事官(景気判断・政策分析総括担当)付 阿部 健児 直通 03-3581-5854 


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