今週の指標 No.471 目次   前へ 次へ 2003年10月14日


フランス:2002年以降のユーロ高が経済に与えた影響


<ポイント>
  1.  フランスのGDP成長率の内訳をみると、外需は2002年後半からマイナスに寄与している(図1)。ユーロの動向をみると、対ドルでは2002年以降増価傾向が続き、5月19日には1ユーロ1.19ドルの最高値を記録した。夏にはユーロ高の修正が生じたものの、9月に入り再び増価している。また、ユーロは対ポンドでも増価傾向にある(図2)。
  2.  輸出価格の動きをみると、企業によるユーロ高の価格転嫁が遅れており、企業収益の圧迫要因となっている可能性がある。原油価格高の影響があるが、輸入価格はユーロ高によって低下している。ECBなどは、ユーロ高による輸入物価の低下は消費に好影響を与えるとして望ましいとしている(図3)。
  3.  ユーロ高は対英米向け輸出に悪影響を与える。フランスの輸出相手先をみると対英米向け輸出はこのところシェアが2割程度まで上昇している。一方、為替変動の影響を受けないユーロ圏向け輸出が6割以上を占めている(表1)。したがって、輸出の減少には、欧州の景気減速による需要減少の影響が大きかったと考えられる。
  4.  ユーロ高は(1)企業収益を圧迫し、(2)ユーロ圏全体の景気を減速させ、相互依存の強い域内輸出をさらに減少させるということから、フランス経済にマイナスの影響を与えている。


図1:GDP成長率  図2:ユーロ高の現状 図3:輸出、輸入価格の推移  表1:フランスの輸出相手先
(出所)INSEE、Bank of England、ECB、データストリーム等。

担当:参事官(海外経済担当)付 関口敬子 03-3581-0056  


目次   前へ 次へ