今週の指標 No.463 目次   前へ 次へ 2003年9月16日


冷夏と消費の関係の検証
<ポイント>
  1. 今年の7、8月は、気温が非常に低く、93年以来の冷夏となった。このため、夏物商品の売れ行き不振が、景気の下押し要因となったのではないかと懸念されている(図1)。
  2. 冷夏と消費の関係を見極めるために、過去20年ほどの夏物消費と気温の関係をみると、確かに、7,8月の気温が上昇すると、夏物消費も増加するという関係があったことが確認できる。(図2)。今年7月も、気温の低下によりエアコンやビールの売上が大幅に落ち込むなど、夏物関係消費は大きな打撃を受けた。
  3. しかし、過去における、夏物以外の消費と気温の関係をみると、緩やかながら若干の負の相関があったことが分かる(図3)。夏物消費とその他の消費の間に代替的な関係があるのではないかと推察される。ビールの替わりに日本酒、夏物衣料の替わりに秋物衣料というように、代替性が強い財の間で需要がシフトする他、直接代替的な関係が強くないものについても、夏季商品を買わないことにより財布の中身に余裕ができるため、消費が増加している可能性もある。
  4. 結果として、消費全体と気温との関係をみてみると、明確な相関は見られない(図4)。

図1:7、8月の平均気温 図2:各年の夏物消費と気温の関係 図3:その他消費と気温の関係 図4:各年の消費全体と気温の関係

(備考)
1.総務省「家計調査報告」、気象庁データにより作成。
2.各年7、8月の平均値を用いている。夏物消費は81年〜2002年、消費全体は73年〜2002年のデータを用いている。
3.夏物消費の定義は、ビール、その他の飲料、アイスクリーム・シャーベット、すいか、もも、なし、ぶどう、メロン、電気代、エアコン、電気冷蔵庫、被服及び履物。それぞれ、対応する消費者物価で実質化したものを合計。
 その他消費は、消費全体から夏物消費を除いたもの。
4.気温は東京と大阪の平均。


担当:参事官(景気判断・政策分析総括担当)付 新家 義貴  直通 03-3581-9516


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